シロッコ、総裁選、クェス、

※1st、Z、CCA について知っているという前提でよろしく！！！！！

パプテマス・シロッコは、階級は大尉、男、ティターンズ所属のニュータイプの軍人さんです。
「女性が世界を支配すべきだ！！！」的なことを口では言っているものの、実際にはジャミトフを暗殺して権力を自らが握ろうとしたり、女性のニュータイプであるハマーンと敵対したり、矛盾が多い男なんですけど、その矛盾が思春期特有の心と体が離れ離れにぃぃ…という感じではなく、あくまで打算の人であるところが、シロッコのキャラとしての旨味ポイントであり、人として最低なヤロウなところでもあります。

さて翻って現実は、菅内閣総理大臣が次期総裁選に立候補しないということで、新しい総理になりたい人が手を挙げるお祭りが始まりました。自民党総裁になればすなわち日本国総理大臣になるということで、しかも、来月には総選挙も控えているので自民党の票が取れないと無職になるおじさん達はなんとしても票の取れる総裁を選びたいわけです。そんな中で立候補に名乗りを上げた女性議員さん(名前は忘れました)を推しまくるおじさん議員達という構図が見えてきました。あれ？どこかで見た気が…これが俗に言うシロッコニズムですね……
※シロッコニズムとは「女性を傀儡にして、本人は男の世界で権力を握り行使する姿が旗から見て滑稽に見える様」のこと

ここへきて史上初の女性総理大臣！！なんてことを大々的にやられた日には、無職おじさん達には呆れる一方で、そんな人たちを選び続けている国民も鏡のように俗物である気がしてしまう。

「今すぐ、愚民ども全てに叡智を授けてみせよ」

僕は、僕も含めて愚民だらけの世界を”良く”したいと思うと、それは”良い”独裁しかないのではないか？と思うときがあります。この街を、この国を、この会社を、頭の良い男(女でも良い)に身を委ねて、愚民は独裁者と自分達を重ね合わせて悦に浸り(ジーク・ジオン)、独裁者は世界を”良く”する。でも、それじゃあ世界を巻き戻しただけで、本当は良くなっていないのでは？第2次大戦に戻っただけだ。それに、隣の赤い国を見ても独裁が本当に好ましい、と心の底から思えるのか？いや、思えない。でも、現にこの地球には問題だらけだ。それは愚民たちにはなにも解決できない。

あたりさわりのない正論であるなら「みんなで平和に良くしていこう」だ。ロンド・ベル時代のアムロ「人間の知恵はそんなもんだって乗り越えられる！」の言葉のとおり、技術や思想の発展で困難を乗り越えてきた歴史が人類にはあって、それをアムロは信じている(ように振る舞ってはいる)。誰かのためにという優しさで世界を良くできる。だが、シャアはそんな優しさで世界は良くならないと思っている。優しさをもった人類が地球を汚染し続けるし、現にそのアムロの優しさによってララァは死んだんだ。アムロの言う優しさが人類のエゴを飲み込めるって言うんなら、シャアのエゴの1つであるララァと一緒にいたいことも認められなければならなかった。...が、実際はそうはならなかった。彼らふたりの間の葛藤は公開から三十年以上経っても結論を出すことはなく、今もまだマフティーの心のどこかに潜んでいる。(そういえば、劇場版閃光のハサウェイ2部情報解禁されましたね！タイトル「サン　オブ　ブライト」めっっっっちゃ楽しみ！)

ハサウェイ君は、地球からたまたま宇宙に出てそこでクェスと出会って恋をしてしまった。そしてクェスは、ニュータイプが世界を良くしてくれると本気で思ってる。今見れば幼い考えなんだけれど、めちゃくちゃ本気だ。だから、ロンド・ベルではアムロにめちゃくちゃ期待する。アムロ風に言えば「父親代わり」のように、ニュータイプが世界を導いてくれると思っている…けれど実際にはそううまくいかない。人間は、政治も家庭もパイロットもやらなきゃいけない。恋人が死んでしまう時もある。でも、それを1つずつ乗り越えて人は成長する。だから、安易には父親代わりになんてなれない。導くことなんてできない。人は悲しみを乗り越えて一歩ずつ進んでいくしかないんだ。
シャアも同じく、ニュータイプと言えども人を導くことは出来ないという実体験がある。だって、みんな死んでしまう。①父親のジオン・ダイクンはザビ家に暗殺される②ララァ、私を導いてくれ…→ララァ死ぬ。③ダカール演説…→何も変わらない。そしてカミーユを導けずに狂気化。シャアは人が死んだり狂うたびに、変わってきた男だった。アムロとシャアは結果として同じように若いやつを導くことは出来ない。

クェスは本当に守りたいものに気付くのに遅すぎて死んでしまった。でも、生きていると"わからない"ことも多いのも確かです。誰が総理になると良いかとか、感染対策の有効性とか、いつ好きな人に告白すべきかとか、生きていると、いろいろ"わからない"ことがあります。検索すれば、すぐにわかる時代だからこそ、"わからない"ことを大事にする。でも本当に守りたいものは心のうちに秘めておく。くらいがいいんじゃないかな、と思います。結論を急がなくていい、でもあれやこれやと示し続ける。アムロとシャアを足して２で割って、"わからない"ことを"わからない"ままに次の世代へ示し続ける。

いや、でも、世の中、独裁じゃないと何もよくならねぇよ！と僕の半分が叫んでいる... to be continue