プリティ・プリンセス
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
2001年のアメリカ映画。地味で冴えない女子高生が、ある日突然、某国の王位継承者だと告げられ、お忍びでプリンセス教育を受けることに。内気な主人公が、戸惑いや失敗を重ねながら成長してゆく姿を描いたロマコメンチック・コメディ作品です。ディズニー製作。原題 "The Princess Diaries"。
キャストは、主人公の女子高生「ミア」役にアン・ハサウェイ、ミアの父方の祖母であり欧州の架空の小国ジェノヴィアの女王「クラリス」役にジュリー・アンドリュース―― と、豪華な共演!
監督は『プリティ・ウーマン』、『ニューイヤーズ・イブ』のゲイリー・マーシャル。
原作は人気の児童文学シリーズ
本作の原作は、メグ・キャボットによるアメリカの人気児童文学。
ティーンエイジャーの冴えない女の子「ミア」を主人公にしたシンデレラ・ストーリー、『プリンセス・ダイアリー』シリーズです。
河出書房から翻訳版が出ています。
▼『プリンセス・ダイアリー』シリーズ
網中いづるさんの装画がカラフルで、とってもかわいい!♡
装画が素敵な本って、思わず手に取って中身を読んでみたくなります♩
アン・ハサウェイの映画デビュー作!
『プラダを着た悪魔』(2006年)、『レ・ミゼラブル』(2012年)、『マイ・インターン』(2015年)などなど、ここでは一度に書ききれないくらい多数の作品に出演している、アン・ハサウェイ。
ちょっとタレている大きな大きな目! これが一番の特徴ですよね。
どの作品の彼女も可愛い♩
男性に好まれそうな “グラマーでセクシー系” というよりは、同性から憧れられるような “綺麗で可愛い系” の女優さんではないでしょうか。
可愛らしいルックスのみならず、その実力に驚かされたのは『レ・ミゼラブル』で演じたファンティーヌ役!
何が「びっくり」って、もう――
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歌が めちゃんこ上手い!!
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わたしの彼女への認識がガラリと変わりました。アン・ハサウェイは、この作品の演技でアカデミー助演女優賞を受賞しています。
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こちらの画像は『インターステラー』(2014年/クリストファー・ノーラン監督)の時のもの。ショートヘアも似合うのよね♡
可愛くてファッショナブルな役柄だけでなく、歌唱力もあるし、シリアスからコミカルまで幅広い演技もできる、器用な役者さんだなぁ―― と、常々思っています。一時期のバッシング騒動にも負けず、活躍し続けている芯の強さも、素敵だなぁと感じる点。
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そのアン・ハサウェイの映画デビュー作が『プリティ・プリンセス』なのです。
初々しく、はつらつとした 18歳の頃の姿。あらためて今観てみると、とても貴重ですね。
『ギルバート・グレイプ』で少年時代のディカプリオを観た時もそうでしたが、現在活躍しているスターたちの初期作品を観ると、その後のキャリアを知っているだけに、なんだか感慨深いものがあります。
イケてない女子高生の変身ぶりが見もの
ところで、本作のお話。
冴えない主人公が、あることをきっかけに、磨かれ、洗練され、外見も内面も変化してゆく――。
映画のプロットとしては、いわゆる、よくあるシンデレラ・ストーリーで、あえて言ってしまえば、何の変哲もありません。笑
かつての名画『マイ・フェア・レディ』(1964年)がそうであったように、古くからある、でも、多くの人に愛されている物語のジャンルです。
では、この手の映画で、わたしたち観客が何を楽しむのかというと
〇「Before」から「After」への変身ぶり
それから
〇 主人公が新しいことに挑戦し、奮闘する姿(コミカルな場面も含めて)
ではないかなぁ、と。
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アン・ハサウェイ演じる主人公「ミア」は、サンフランシスコでママと二人暮らしの女子高生。最初は、こんなふう。
ハーマイオニーのようなボサボサヘア。黒縁メガネ。ゲジゲジの太眉。どちらかといえばオタク気質(geek)で、お上品さとは無関係。人前に出るのも苦手。
スクールカースト上層にいる生徒たちのリア充ぶりを目にしても「べ、別に羨ましくなんてないし!」と、同じような仲間同士で強がっちゃうタイプ。(青春時代を遥か昔に通ったわたし世代から見ると、そこが可愛くもあるのですが。笑)
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ミアの親友の女の子「リリー」(ヘザー・マタラッツォ)も、また良いのです♩
絶妙に良い感じの “クラスにいそう” 感……。(褒めてます♡笑)
これから本作をご覧になる方は、彼女にも注目してみてください♩
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さてさて、そんなミアが、はいっ、ご覧の通り~!
キラキラリ~ン♩ 見事な変身ぶりでございます。なんというまばゆさ! まさに "pretty" そのもの。
[ pretty ]
可愛らしい、可憐な、綺麗な、小綺麗な、こざっぱりした
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人間、“容姿だけではない” のは重々承知の上ですが、土台が美しいハリウッド女優、アン・ハサウェイでさえこんなに雰囲気がガラリと変わるのですから、多少なりとも “容姿に手間をかける” ことって大事なのだなぁ、とつくづく思うのです。
つい最近、わたし自身も髪の分け目をほんの少し変えたのですが、たったそれだけで、家族から「違う人みたい!」と言われるほど印象が大きく変わりました。なので余計に、実感をともなって、そう思います。
たとえ1グラムも痩せていなくても(笑)、髪型、メイク、服装を変えることによって、細く見えたり若々しく見えたりするのですね~! ヘアメイクって、魔法みたい♩
ジュリー・アンドリュースの配役が「粋」!
ミアの父方の祖母にあたるクラリス女王を演じるのが、大女優ジュリー・アンドリュース。
ミアの両親は離婚しており、画家である母と暮らしている。父の出自を知らぬまま育ったミアだったが、父の他界をきっかけに真実が明かされる。
厳しくありながらも孫娘ミアへの愛情に溢れた、品格ある女王を堂々と演じています。ジュリー・アンドリュースにぴったりの役どころ。
常に美しく “しゃん” と伸びた背筋。「品」と「格」を感じさせる佇まいは、さすが!
先ほど、本作は『マイ・フェア・レディ』のようなシンデレラ・ストーリーです、とご紹介しましたが――
実は、こちらの記事でも書いたように、『マイ・フェア・レディ』が映画化される前の「舞台ミュージカル版」では、ジュリー・アンドリュースが主役のイライザを演じていたのです。
舞台作品を映画化する時に『マイ・フェア・レディ』の主役の座を逃したジュリーが、その直後に『メリー・ポピンズ』でアカデミー主演女優賞を受賞したお話。「起こることはすべてベスト」的なエピソードで、わたし、大好きなんですよね~♩(詳しくは、上のリンク先の記事をご覧ください)
かつて『マイ・フェア・レディ』の舞台で、素敵なレディーに変身する役柄を演じていたジュリー・アンドリュース。
その彼女が、本作では素敵なレディーを育てる側の役柄を演じているのです。
Oh! なんと粋なキャスティング!
しかも、本作『プリティ・プリンセス』の撮影場所は、『メリー・ポピンズ』が撮影されていたのと同じスタジオだったとか。(ディズニー、やるねぇ♡)
運転手役のヘクター・エリゾンドが良い♩
それから、本作をご紹介するならば ぜひ触れておきたいのが、ヘクター・エリゾンド! ミアのお抱え運転手、兼警護係の「ジョー」を演じています。
うふふ、このシーン、好き♩ 車内から行う「お手振り」の修行中。笑
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影のようにそっと、ミアやクラリス女王に付き従い、支えてくれる紳士なのです。
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クラリスへの想いは、女王陛下への忠誠心だけではない、控えめな「愛」が――。『ボディガード』(1992年)のケヴィン・コスナーが、ホイットニー・ヒューストンに対して抱いていた感情に似ています。奥ゆかしき哉。
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ヘクター・エリゾンドは、今は亡きゲイリー・マーシャル監督(2016年没)との交友が長く、本作の他にも同監督の作品に多数出演しています。
わたしが一番好きなのは、『プリティ・ウーマン』で演じていた高級ホテルの支配人!
ほんっと、この役、最高です! 大大大好き♡
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お抱え運転手が登場する映画といえば、『ウォルト・ディズニーの約束』に出てくる運転手の人も素敵だったなぁ……♩
なんというか、目立つ存在ではないけれど、そっとそばに居てくれて、表立っては余計な口を挟まず、でも、ピンチの時はさり気なく守ったり助けたりしてくれる紳士――。そんな存在の男性に弱いのかもしれません、わたし。
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デビューしたてのアン・ハサウェイが可愛くて、コミカルなドジっ子ぶりに思わず吹き出してしまう本作。
ジュリー・アンドリュースやヘクター・エリゾンドの演技、親友リリー役のヘザー・マタラッツォにも注目しながら、ご覧になってみてください。楽しい映画ですよ~♩
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