ファミリー・ツリー

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『ファミリー・ツリー』を観た。短パン＆サンダルでワタワタ狼狽する、ジョージ・クルーニー。カッコ悪い彼も、面白い。起きている出来事はシリアスでビターなんだけど、ハワイのただただ青い空、青い海。あの風景があってこそ、上手にコメディー仕立てになっているんだろうなぁ。シドが結構いいヤツ。

— もりはるひ (@haruhi_mori) December 20, 2013

2011年のアメリカ映画。ジョージ・クルーニー主演。舞台はハワイ。妻が突然昏睡状態になったことをきっかけに、仕事人間だった夫が家族の数々の問題に向き合う姿を描いた人間ドラマ作品です。

監督は『アバウト・シュミット』のアレクサンダー・ペイン。原題は "The Descendants"（子孫たち）。

Ｔシャツ＆短パンの、レアなジョージ・クルーニー。

本作はハワイが舞台のお話。オアフ島のホノルルで暮らす弁護士、マットをジョージ・クルーニーが演じています。

ジョージ・クルーニーといえば、他の作品ではスーツやジャケットをビシッと着こなして、ダンディにキメているイメージ！

あら、素敵♡

一方、本作でのジョージは、ハワイのロコ（地元民）という役どころ。しかも、カメハメハ大王の直系の子孫（！）で、カウアイ島に先祖代々続く広大な土地を所有している―― という設定です。

というわけで、まず、アロハシャツやＴシャツ＆短パンといったラフなスタイルの彼が珍しくて新鮮でした！

それでもイケメンであることに変わりはない。笑

わりと深刻な状況なのに、どこかコミカル

主な登場人物
○ エリザベス（妻）
突然ボート事故に遭い、昏睡状態に。実は不倫をしていた。何も知らない夫マットは、その事実を長女の口から聞かされる。
○ アレックス（長女／シェイリーン・ウッドリー）
全寮制の学校にいるが、飲酒をするなど不良化している。アホで無礼な年上の彼氏と交際中。
○ スコッティ（次女／アマラ・ミラー）
母の事故のショックで情緒不安定。学校で騒ぎを起こしたり、同級生の親からクレームが来たりする。
○ シド（ニック・クロース）
長女アレックスの彼氏。不躾な言動が多く、父マットとしては不快に思っている。

仕事人間で、家庭のことは妻に任せきりだったマット。妻が昏睡状態になってしまったことで、彼にさまざまな難題が降りかかります。

加えて、先祖代々受け継がれてきた土地の売却をめぐって、マットは親類たちから決断を迫られています。

裕福な境遇であるとはいえ、これまで妻や娘たちときちんと向き合ってこなかったツケが一度に回ってきて、キャパオーバー気味。

重なって押し寄せてくるひとつひとつのできごとに、ショックを受けたり、対処に困ってしまったり……。お父さん、散々です。

・・・

彼らが置かれている状況だけを見ると、これ、わりと深刻だと思うのです。
（わたしだったら、だいぶ参ってしまうだろうなぁ……）

でも、奮闘している情けないパパの姿は、どこかコミカル。笑

あえてコミカルに描いているんだな〜、と、だんだん気づいてくる。

重い状況なのに、観ているこちらが思わず「くすっ」と笑えたり、「あーあーあー」と苦笑いできたりしちゃうのです。

観ていて つらい気分にならずにいられるのは、すごいなぁと思います。

その理由は、

○ カラッとしたハワイの美しい風景
○ 絶妙なバランス感覚でコミカルさを加えた、優れた脚色・演出
○ ジョージー・クルーニーの演技

があるからではないでしょうか♩

本作がアカデミー脚色賞を受賞しているのも、納得ですよね！

青い空。青い海。美しいビーチの景色もハワイらしくて素敵だけれど、こういう緑いっぱいの何気ない風景を見ていると、以前旅行した時の空気を思い出して「ああ、ハワイだな～♩」と感じます。（また行きたい！♡）

「許すこと」って、たいへん。

本作のもうひとつの良い点は、登場人物それぞれが、みんな “人間らしい” ところ。

自分の置かれた状況、相手との関係性の中で、さまざまな “反応” を見せるんですよね。

悲しくて泣いたり、オロオロうろたえたり、怒ったり、相手を責めたり、途方にくれたり－－。

みんな、生きていれば、そういうこともしょっちゅうあるよね。人間だもの。（みつを）

ある出来事に対して “反応” できることが、言い換えれば、イコール “生きている” ということでもありますよね。

（その “反応” もできなくなってしまっている 昏睡状態の妻が、なんとも対照的だなぁ……なんて思いました）

でも人間は、“反応” するほかにも、できることがあるのです。

それは “意図する” こと。
「こうありたい」と決めて、そちらをえらぶこと。

本作の大きなテーマは “許すこと” なんですよね。

マットは妻を許せるのでしょうか？ 不倫相手の男性は？ 娘たちとの関係は？

つづきは、ぜひ本編をご覧になってみてくださいね。

・・・

長女のボーイフレンド、シド。最初はわたしも呆れてしまったけれど、実は結構いいヤツでした。笑

「許すこと」って、自分の心もラクにしてあげられるんですよね。

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