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ウォルト・ディズニーの約束

鑑賞時の感想ツイートはこちら。

2013年のアメリカ/イギリス/オーストラリア映画。『メリー・ポピンズ』の原作者 パメラ・トラヴァース(P.L.トラヴァース)を主人公に、彼女の児童小説をディズニーで映画化するに至った誕生秘話と、作品の背景に隠された子ども時代の父との記憶を描いたドラマ作品です。原題 "Saving Mr. Banks"。

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『メリー・ポピンズ』を観たことはありますか?

ディズニー映画の古典とも言える『メリー・ポピンズ』。1964年の古い作品です。(昭和39年:東京オリンピックの年ですね!)

'60年代という昔の作品なので、「ディズニーが好き!」という方の中でも『メリー・ポピンズ』を観たことがある方は、もしかすると多くないのかも。何割くらいかな……? 半数くらい? もっと少ない?

でも、世界各地のディズニー・パークでは、今でもお馴染みのキャラクターとして現役で活躍しているのですよ♩

こちらは、ディズニーランド・パリでのショーの様子。しっかり『メリー・ポピンズ』がメインのショーになっていますね。

こちらは、東京ディズニーランドにいるメリー・ポピンズとバート。日付を見ると、つい最近の様子みたいですね。

それにしても、メリー・ポピンズのお衣装可愛いなぁ♩ ふわっふわ!♡

『メリー・ポピンズ』の何が好きって、わたし的には “”! どれもこれも、本当に素敵な楽曲ばかりなんです♩ これらは、ロバート(兄)とリチャード(弟)のシャーマン兄弟によって作曲されたもの。

『メリー・ポピンズ』の楽曲あれこれについては、こちらの記事にたくさん書いていますので、よろしければあわせてご覧ください♩

大好きなエマ・トンプソン♡

以前こちらの記事にも書きましたが、エマ・トンプソンはわたしの大好きな女優さん!

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『ハリー・ポッター』シリーズのトレローニー先生をはじめ、数々の映画で様々な役を演じているイギリスのベテラン女優です。

本作『ウォルト・ディズニーの約束』では、『メリー・ポピンズ』の原作者パメラ・トラヴァースを演じています。

トラヴァース夫人は、オーストラリアで生まれ育ち、25歳の時にイギリスへ移住した女性。

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右側が実際の P.L.トラヴァースご本人。ウォルト・ディズニー、ジュリー・アンドリュースと共に。

映画の作中で詳しく描かれていますが、このトラヴァース夫人がまぁ、気難しいのなんの

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終始こんな顔です。笑

・・・

今わたしは、主人公「パメラ・トラヴァース」のことを「トラヴァース夫人」と書いていますが、これにも面白いエピソードがありまして――。

社長のウォルトを筆頭に、ディズニー社ではお互いをファーストネームで呼び合う社風があります。

この社風は、ウォルトのオープンでフレンドリーな性格を表すための描写だと思うのですが、わたし個人的には、カラッとした西海岸の映画業界人の気質、ひいてはフランクなアメリカ人全体を象徴しているようにも感じました。

映画化権の交渉のために、ロンドンからはるばるロサンゼルスへやってきたパメラ。ディズニー社では、脚本家のダグラディ、作曲家のシャーマン兄弟が揃ってお出迎え。そして歓迎ムード全開で最初にこう言います。
「おはようございます、パメラ!」

ところが……

「まったくの初対面の相手に下の名前で呼ばれるのは、いい気持ちではないわね」
「トラヴァース夫人(Mrs. Travers)と呼んでください」

開口一番、こうクギを刺されるのです。
(既婚者ではないのですが、自ら「ミセス」を指定)

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笑顔が凍りつくディズニー社の面々。笑

そもそも最初のオファーから20年もの間、ずっと『メリー・ポピンズ』映画化には反対。まったく乗り気ではなかったものの、自身の経済的な窮状からエージェントに強くすすめられ、「検討」のつもりでしぶしぶディズニー社を訪れたトラヴァース夫人。

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自信に満ち溢れた陽気なウォルト(トム・ハンクス)も、さすがに茫然。笑

そんな背景があったにしろ、簡単には相手に迎合しない姿勢、言いたいことをハッキリ言う態度は、とにかく筋金入り。

細かいところまで注文が多く、ディズニー側のすることなすことダメ出し。「ミュージカルはダメ」。「アニメなんて、もってのほか」。しまいには「画面に赤は使うな」と、無茶苦茶な条件まで出す始末……。

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到着初日、ホテルの部屋に用意されていたディズニーからの精一杯の「おもてなし」(キャラクターのぬいぐるみなど)も、お気に召さず、怒ってクローゼットに片づけてしまうのでした。笑

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このトラヴァース夫人の “気難し屋” っぷりを、エマ・トンプソンが痛快なまでに見事に演じています。

ただ、

単に気難しくて、あれこれイチャモンをつけているわけではないのです。物語の “生みの親” として、作品に並々ならぬ思い入れがある。著者としての作品への「愛」の深さゆえ。

そして、その根底には―― という彼女の生い立ち部分が、本作のストーリーのもうひとつの柱になっています。

対比の描写が面白い

先程も触れましたが、「アメリカ」、「西海岸」、「ディズニー社」、そして「ウォルトという人物」、これらがいかにも “明るく陽気”、“フレンドリー”、“ハッピーなこと大好き”、“表現がオーバー” という特徴をとらえて描かれるのに対し、

片や “雨が好き” で、“浮ついたことが嫌い” なトラヴァース夫人。

この対比のさせ方が、とても面白かったです♩

どちらが良いとか悪いとかではないんですよね。何に重きを置いて、何を良しとするか。両者のマインドの違いを、対照的に描いているのが良かったなぁ。

"A leisurely stroll is a gift."

トラヴァース夫人のロス滞在中、ディズニー社は運転手付きの送迎車をご用意。

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この車の、お抱え運転手が「ラルフ」(ポール・ジアマッティ)という男性。

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本作でわたしが一番好きなのは、ラルフとトラヴァース夫人の交流

ロスのお天気に関する二人のやりとり、それを伏線にした後半の展開など、とても映画らしくて粋なエピソードだなぁ、と思います♩

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本作に出てくるラルフのセリフ。

"A leisurely stroll is a gift."
散歩は(天からの)贈り物

わたし、この言葉が大好きなのです!
なにしろ、お散歩はわたしのライフワーク」なので!♡

▼ 詳しくは、こちらの自己紹介の「2.お散歩」をご覧ください。

何を隠そう、わたしの Instagram のプロフィール欄には、このセリフを引用して載せているほど。

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↓ ↓ 拡大 ↓ ↓

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長い年月にわたり、日々お散歩していると、心から

"A leisurely stroll is a gift."
散歩は(天からの)贈り物

だなぁ♩……と、感じることばかりです。

Saving Mr. Banks(バンクス氏の救済)

本作の原題は "Saving Mr. Banks"。直訳すると「バンクス氏の救済」とか「バンクス氏を救うこと」といった意味になります。

Mr. バンクス」とは、『メリー・ポピンズ』に登場する人物の名前。メリー・ポピンズが “ナニー”(nanny:子守り兼家庭教師)としてお世話をする子供たちの厳格な父親が「Mr. バンクス」です。

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この人。職業が銀行員なので、それに掛けて "Banks" なのでしょうね。

邦題は、誰もが知っているディズニーの名前を入れて『ウォルト・ディズニーの約束』となっていますが、原題の "Saving Mr. Banks" の方が、より本作のテーマに近い気がします。

なぜ "saving"(救う)なのか?

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そちらは、ぜひ本編をご覧になって確かめてみてくださいね。

プチ推しポイント☆

ディズニー好きのわたしとしては、こういう、さり気ないカットでうれしくなりました♩

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うふふ……♡

エンド・クレジットでは、実際の交渉時に記録されたトラヴァース夫人の肉声テープが流れます。

最後まで見逃さないでくださいね。


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もり はるひ
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