南極料理人
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2009年の日本映画。南極観測隊として派遣された8人の男たちの日常を、メンバーの一人である料理人の視点でユーモラスに描いたヒューマン・コメディ作品です。
監督は『キツツキと雨』、『横道世之介』の沖田修一。出演は、堺雅人、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補、ほか。
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いやぁ~、この映画、面白かった! 好きな作品です♩
主人公の「西村」を演じるのは、堺雅人さん。海上保安庁から南極観測隊の料理担当として「ドームふじ基地」へ派遣され、妻と娘を日本に残して単身赴任。赴任前、妻子からちょっぴり粗末に扱われ、哀愁漂う寂しそうなパパぶりも笑えます。笑
原作は、『面白南極料理人』という西村淳氏によるエッセイ。実話がベースなんですね!?(読んでいないのでわからないけれど)
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赴任中、主人公と共に暮らす、観測隊の7人がまた個性的で面白くて。
○ 本(モト)さん(生瀬勝久)
国立極地研究所から派遣された雪氷学者。雪氷観測担当。
○ 兄(にい)やん(高良健吾)
大学院生。雪氷観測のサポート担当。
○ ドクター(豊原功補)
北海道の市立病院に所属する医師。医療担当。
○ 平さん(小浜正寛)
国立極地研究所から派遣された大気学者。大気測定担当。
○ 盆(黒田大輔)
自動車メーカーから派遣。車両担当。
○ 主任(古館寛治)
通信社から派遣。通信担当。
○ タイチョー(きたろう)
ドームふじ基地観測隊の隊長。気象庁から派遣された気象学者。気象観測担当。
学者、医師、大学院生、民間企業の社員など、それぞれのバックグラウンドはバラバラ。要は、プロジェクトのために各分野から寄せ集められたチームなんですね。
コメディとしては、彼らのこの “バラバラ具合” が面白いわけで。笑
社会人生活が長い人ほど、彼らそれぞれの立場がわかるのではないかなぁ。寄せ集めのチームを描いているからといって、何かドラマチックなことが起きるわけでもなく、ゆる~い空気感でほのぼのと描かれるところが良いです。
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観測隊として一度現地へ入ったら、任期が終わるまで人の出入りもなく、屋外はウイルスさえも生存できない極寒のマイナス50℃。それぞれがルーティンをこなし、淡々と、粛々と日々を送る生活。水や食料などのリソースも限られている――。
宇宙好きのわたしは、「ISS(*)の環境みたいだなぁ」と、ちょっと思いました。(*ISS:国際宇宙ステーション)また、昨今のコロナ禍における「ステイホーム」状態にも、通ずるものがあるかもしれませんね。
そんな、変化や刺激の乏しい状況の中、彼らの唯一の楽しみが三度の食事! 堺さん扮する主人公が工夫してつくる献立の数々が、ほんとうに美味しそう!♡ 観てると、お腹すいちゃいます。笑
意識的に「ハレの日」をつくって、日常の中に潤いや楽しみを見いだそうとしているところが良いなぁと思いました。こういう精神、好き♩
みんながテーブルを囲む食卓のシーンは、作中、全部で17回あるそう。どのシーンのメニューも美味しそうなのですが、わたしが印象に残っているのは「伊勢海老のエビフライ」と「ラーメン」、それから、ミッドウィンター祭の「コース料理」かなぁ。笑
本作のフードスタイリストは、『かもめ食堂』の飯島奈美さんと榑谷孝子さん。
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沖田修一監督の作品は、本作『南極料理人』のほかに、わたしは『キツツキと雨』と『横道世之介』を観ています。どちらも面白かった。この監督の作品は、独特の空気感があって好きです♩
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