007 スペクター
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
2015年のイギリス/アメリカ映画。スパイアクション作品「007」シリーズの24作目。ダニエル・クレイグがボンド役を演じた第4作。
出演は、ダニエル・クレイグ、クリストフ・ヴァルツ、レア・セドゥ、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、レイフ・ファインズ、アンドリュー・スコット、ほか。
監督は、『アメリカン・ビューティー』、『007 スカイフォール』、『1917 命をかけた伝令』のサム・メンデス。
撮影監督は、『ぼくのエリ 200歳の少女』、『裏切りのサーカス』、『her/世界でひとつの彼女』、『TENET』のホイテ・ヴァン・ホイテマ。
クレイグ・ボンド作品を、おさらい。
わたしの大好きなクレイグ・ボンド。名残惜しくも、昨年(2021年)秋に公開された『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』をもって、とうとう最後の幕引きとなりました。
もちろん、わたしも劇場へ観に行きましたよ~! 昨今の、あの流行り病の影響で公開日の延期などもあり、今か今かと首を長くして楽しみに待っていたのです。
15年間、ボンド役を演じてきたダニエル・クレイグにとっても、「007」という映画シリーズにとっても、ひとつの時代の区切り、ということになりますね。
わたしはダニエル・クレイグのボンドが特に好きだったので、名残惜し過ぎて、こんなドキュメンタリーまで観ちゃいましたよ。(これを観たいがために、わざわざ Amazon プライムの無料お試しに入った。笑)
新たなボンド役としてダニエル・クレイグがキャスティングされた当時のバッシングの様子や、その後の彼の奮闘など、歴史を追って紹介されていて、とても興味深い内容でした。
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ここで、ダニエル・クレイグ版になってからの「007」シリーズ5作品を、ちょっとおさらいしてみましょう!
1作目の『カジノ・ロワイヤル』で、ボンドが生涯忘れ得ぬ運命の女性・ヴェスパー(エヴァ・グリーン)に出会う。これが序章。
2作目の『慰めの報酬』では、大きな喪失と復讐心に駆られるボンドを描きます。(この2作目は、あまり振るわなかった模様)
3作目『スカイフォール』ではボンド自身の過去との決別や復活を。
そして、今回この記事でご紹介している4作目『スペクター』で、ボンドは新たな運命の女性となるマドレーヌ(レア・セドゥ)と出会うんですよね。
本作でのマドレーヌとの出会いが、次作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』への大事な伏線に。
時を経て、クレイグ・ボンド最終作である5作目『ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、マドレーヌへの愛がより深いものへと変化してゆく――
シリーズを通してクレイグ・ボンドの足跡をざっくり追うと、そんな感じでしょうか。
冒頭 5分45秒の長回しが印象的!
本作『スペクター』といえば、わたしがまず思い出すのは、冒頭の「死者の日」のカーニバルのシークエンス!
お祭りで賑わう華やかな街の全景から、ボンドが建物の屋上でスナイパーライフルを構える狙撃のシーンまで、5分45秒。ずっと1カットで撮られた “長回し” なのです。
そう。これこれー!
こういう手の込んだ方法で物語の世界へ導入してくれると、いかにも映画的な感じがして、ワクワクが高まりますー♩
こちらのシークエンスの舞台となったのは、メキシコシティ。実際の現地では、本作で描かれるようなお祭りは元々なかった ――そうなのですが、「映画を観たファンががっかりしないように」と、撮影以降、本当にカーニバルが催されるようになったのだとか。さすが「007」、作品の影響力が大きい!
懐かしの「スペクター」が登場
さて、本作のタイトルは、その名も『スペクター』(SPECTRE)。昔の「007」を知らない、若い世代のわが息子などは、予告編を観て
「スペクターって何?」
なんて言っていました。
シリーズの初期作品を観たことがある方は、もちろんご存じですよね! 世界で暗躍する悪の巨大秘密組織。第1作から登場する、ボンドの最大の敵。それが「スペクター」です。
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「スペクター」(SPECTRE)の正式名称については、こちらの記事を参照。
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シリーズ中はじめて、スペクター「No.1」(*) こと「ブロフェルド」の顔が明らかになったのは、こちらの第5作『007は二度死ぬ』でした。
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その後、(著作権絡みの)大人の事情により、第7作『007/ダイヤモンドは永遠に』を最後に封印され、第8作~第23作までボンド映画から姿を消していた「スペクター」。
それがなんと、本作に復活するというのですから、昭和からのボンド映画ファンとしては、いやが上にも高まる期待!!
――と、事前にハードルが上がり過ぎたのが災いしたのか、ちょっと、こう、「ん?」「ブロフェルド?」「もっとラスボスしいキャラを想像していたのだが……?」と、いささか萎んでしまったマイハート。笑
なんというか…… “小物感”?
いえ、本作のブロフェルドも、すごく “ネチネチした”、“いやらしい” 悪役ではあるのですよ。
演じているのはクリストフ・ヴァルツだし、シリーズ全体を通して見ても、他作品の悪役たちと比べて、ことさら劣るわけではない。
でも、ボンド最大の敵にして、あのスペクターの「No.1」ブロフェルド―― このキャラクターを再登場させるなら、もっと、並々ならぬ恐ろしさや悪の大物感が欲しかったかなぁ。
毎回楽しみなタイトル・シークエンス♩
わたしも含めて「007」シリーズのファンが毎回楽しみにしているのが、豪華アーティストの主題歌と共に流れる、趣向を凝らしたデザインのタイトル・シークエンス。
デザイナーは、ダニエル・クラインマン。
サム・スミスが切なく歌い上げる主題歌 "Writing's on the Wall" も、エモくて好き♩ 個人的には、歴代のテーマソングの中でもかなり上位かも。
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「007」の歴代テーマソングといえば、以前こんなツイートをしたことがあるので載せておきます。
本当にね、どの楽曲も “美しい” なぁ……って、再認識しました。音楽の面でも「007」シリーズのレガシー(遺産)って多大なのではないかしら。
あなたは、どの曲がお好きですか?
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