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第9地区
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
『第9地区』を観た。面白かったー! わたしの苦手な、グロいシーン&痛いシーンがちょっとあったけど。でも、いろんな意味で、面白かったー。
— もりはるひ (@haruhi_mori) March 16, 2012
2009年のSF映画です。監督は、南アフリカ共和国出身の二ール・ブロムカンプ。
ブロムカンプ監督の作品、ちょっと注目しています。他に『チャッピー』(2015年)という映画もあって、それも面白かった~!
設定から既に面白い!
舞台は南アフリカ共和国。1982年、ヨハネスブルグ上空に巨大な宇宙船が飛来します。街の空に停止したままの宇宙船からは応答がなく、攻撃してくる気配もない。
政府が宇宙船に立ち入って調査したところ、異様な姿形をしたエイリアンが大量に発見されます。彼らは「難民」として受け入れられ、特別居住区「第9地区」に隔離されることに。
第9地区は、政府からの委託を受けた超国家機関「MNU」が管理しています。しかし、不気味な外見などからエイリアンに対する差別や迫害は絶えず、第9地区はすっかりスラム化していました。
難民の人口増加などもあり、MNUはエイリアンを新たな隔離先「第10地区」へ移動させる計画を立てます。MNUの職員ヴィカスは、立ち退き要請の同意を得る担当者として第9地区に赴くが――というお話。
“地球外生命体とのコンタクト” は SF映画では定番の題材ですよね。
ところが本作では、エイリアンと戦ってやっつけたりしません。友好的な交流もしません。人類は彼らを「難民として隔離する」対応に出ます。設定が面白いです。ナイス・アイディア!
エイリアンの造形がすごい
「イヤン! 気持ち悪い!」とか言わないであげて……。
わたしも最初は「うぇ〜……!」と思いました。人間たちが彼らを呼ぶ蔑称は「エビ」笑。エイリアンよ、ごめん。つい笑っちゃった。(エビというよりは昆虫のよう)
でもね、自然と嫌悪感を抱いてしまう(失礼)彼らのこの外見を実現できたからこそ、人間から “迫害されている” というストーリーに説得力が生まれるわけです。
美術さん、グッジョブ!
拍手です。
さらにストーリーを追ううち、可哀想な彼らの境遇に、だんだんと同情的な気持ちさえ芽生えてきます。(中には「かわいい」と思う人もいるようです)
野蛮で攻撃的なのは人間のほう?
ほんとにね、エイリアンたちが文字通り “虫ケラのように” 扱われるんですよ。彼らの宇宙船や武器を見ても、科学的な文明度はエイリアンの方が優れているはずなのに。
「見た目が気持ち悪い」(何度も失礼)、「人間に反抗してこない」のを良いことに、人間がひどい仕打ちをするのです。これって、イジメっ子の心理に似ているかも……。わたしはなんとなく、アメリカ先住民の歴史の話を思い出してしまいました。
ブロムカンプ監督の出身が南アフリカなので、かつてのアパルトヘイトなども影響しているのかなぁ。
戦闘シーンも見応えアリ
物語の後半、戦闘シーンがたっぷり出てきます。ミリタリー系やメカ、FPSゲームなどがお好きな方は「おお~!」と興奮するのでは? わたしは “おかんゲーマー” なので、食いついてしまいました。笑
人間側の軍隊では RPG(ロケットランチャー)や地対空ミサイルなどの重火器が登場しますし、エイリアンの作った武器はもっとすごい威力のものが出てきます!
でも、あの MNUの傭兵部隊はどうなのかしら? 戦闘で「ヘルメットなし」って防御力弱すぎない? しかもスキンヘッドよ? この部隊、大丈夫なの? と余計な心配をしていたゲーマーは、わたくしでございます……。笑
ラストシーンもピリリと効いてます
主人公ヴィカスの「その後」を匂わせるラストシーンも、いろんなことを考えさせてくれて、ピリッと効いています。小粒の山椒のように。
映画として、いい終わり方でした♩
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