ウルヴァリン: SAMURAI
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
2013年のアメリカ/イギリス映画。マーベルのアメコミ『X-MEN』シリーズに登場するキャラクター「ウルヴァリン」を主人公にしたスピンオフ(外伝)の第2作目。原題 "The Wolverine"。
スピンオフの第1作『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』では、ウルヴァリンの子ども時代にまで遡り(1845年~)、彼の “能力がどのようにして目覚めたか” や “兄との確執” を描いていました。
続く本作は、さらにその100年後(1985年~)から始まり、ウルヴァリンの能力のひとつである “不老不死” に焦点を置いてお話が展開します。
『X-MEN』シリーズの全体像については、こちらの記事で解説しています。よろしければ、あわせてどうぞ♩
ウルヴァリンが日本に!
本作の一番の特徴は、日本が舞台になっていること。
前半のお葬式のシーン。
ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)が増上寺を駆け回ります!
長崎の原爆も描かれます。この時の “ある出逢い” に端を発して、ストーリーが展開してゆくことに――。
・・・
さて、ここで、映画好きのみなさん。
そろそろ気がついて、ニヤつき始めた方もいらっしゃるのでは?笑
そう。
“日本を舞台とした洋画” といえば、わたしたちネイティヴな日本人から見ると「おいおい!」とツッコミを入れたくなるような、ちょっと “ヘンテコ” な日本表現がしばしば登場するもの。
その代表的な作品が、こちら。
本作にも、やはり欧米から見た “ステレオタイプな日本像” が所々に見受けられます。
「新幹線」の車内や屋根の上で、ウルヴァリンが「ジャパニーズ・ヤクザ」と死闘を繰り広げるシーン。
「忍者」部隊と戦闘するウルヴァリン。忍者、全然忍んでない。笑
しかも、日本のヤクザも忍者も、かなり強い! あのウルヴァリンが苦戦する程です。
ウルヴァリンが戦う相手って、いつもは大抵、すごい能力を持つ敵のミュータントなのですが、それに匹敵する強さ!笑
・・・
ただ、わりと最近(2013年)の作品ということもあって、『007は二度死ぬ』の頃の “ヘンテコ日本” 度合いに比べると、少しは良くなっているかも。
これついては、本作に出演している真田広之さん(シンゲン・ヤシダ/矢志田信玄・役)の貢献も大きいようです。(後述)
真田広之さんの “あり方” の格好良さ
こちらのインタビュー映像によると、真田さんは本作の撮影において殺陣や日本語に関するアドバイスを求められることも多く、“日本人が見ても違和感のない日本” になるよう、心を砕いたとのこと。
俳優としての活動拠点を日本からアメリカへ移し、トム・クルーズや、ジャッキー・チェン、アンソニー・ホプキンスといったハリウッド・スターたちとの共演も果たしている真田さん。
○ ラスト サムライ(2003年)/主演:トム・クルーズ
○ ラッシュアワー3(2007年)/主演:ジャッキー・チェン
○ 最終目的地(2009年)/主演:アンソニー・ホプキンス
英語もご堪能で、海外の映画界においても日本人の美点である “現場に尽くす” 姿勢を貫いていらっしゃいます。それも、これからの後進たち(日本人俳優)がもっと海外へ進出しやすくなるように―― と、未来のことまで見据えているからなんですね。
立ち振る舞いからアクションまで、いくつになっても格好いい真田さんですが、なんと 俳優としての “あり方” までこんなに徹底して格好いいとは!!
素敵です♡
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こちらの来日記者会見の映像では、舞台に登場するのが
1)ヒュー・ジャックマン(ウルヴァリン役)
2)真田広之(シンゲン役)
3)TAO(マリコ役)
4)福島リラ(ユキオ役)
という順番なのですが、後から入場してくる女性出演者(TAOさん)が席に着くまで、真田さんとヒューが一緒に立ち上がって待っていらっしゃるんですよね。(続いて入った福島リラさんの時は、立ったのはヒューだけ……なぜ?笑)
わたし、あの西洋のマナー、とても憧れているんですよね~♩
日本の男性で、こういうことがスッと出来る方って、なかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。
TAOさんと福島リラさんのこと
本作の重要な役どころに、二人の日本人女性がキャスティングされています。
一人は、マリコ・ヤシダ(矢志田真理子)役の TAOさん。
本業はモデルさんで、本作がハリウッドデビュー作。
さすが、お美しい♩
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もう一人は、ユキオ(雪緒)役の福島リラさん。
この方も本業はモデルさん。同じく、ハリウッド映画デビュー作です。
真っ赤な髪、アメコミっぽくて似合いますね♩
ユキオというキャラクターは剣の達人らしくて、アクションのシーンが多いのですが――
見てっ♩
これ、勝新太郎時代の『座頭市』を意識して作られていると思いませんか!?
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実はわたくし、勝新さん演じる『座頭市』が大大大好きで!!♡
座頭の「市っつぁん」といえば、勝新太郎! カツシン一択です!
北野武とか、綾瀬はるかとか、香取慎吾ちゃんとか、いろいろリメイクされたものもありますが、足元にも及びません。笑
勝新さんが「至高」です。(個人の見解です)
それではここで、勝新・座頭市の素晴らしい殺陣シーンを観てみましょう♩
シブい!!! 格好いい!!!
この渋さがたまらんのです。
クゥーーーーー!!
(博多華丸さんがモノマネする、川平慈英さん風に)
おっと、いけない。
わたしが『座頭市』を語りだすと際限がなくなってしまうので、このへんで。(また、いつかの機会に♩)
まさか、ウルヴァリンから座頭市の話になるとは、自分でも思っていませんでした。笑
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