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遠い空の向こうに
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
『遠い空の向こうに』(原題:October Sky)を観た。観終わってから、静かにじ〜んとくる映画。寝食を忘れるくらい夢中になれることに出逢う。誰に何と言われても、ひたむきに追求し続ける。そうしているうちに、仲間ができる。良き師に出逢う。応援者や理解者が現れる。そこに希望がある。
— もりはるひ (@haruhi_mori) August 7, 2013
1999年のアメリカ映画。'50~'60年代の小さな炭鉱町を舞台に「ロケットを作りたい」と夢を追う少年を描いた、感動のヒューマンドラマ作品です。原題は "October Sky"。
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夢は "ときめき" からはじまる
物語は、ソ連が人類初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げに成功した1957年から。
スプートニク1号は、アメリカ上空、ウェスト・バージニア州の夜空を輝きながら横切っていきました。その姿に魅せられた炭鉱町の少年、ホーマー・ヒッカム(ジェイク・ギレンホール)。
「ロケットを作りたい!」と家族に宣言し、高校の仲間と一緒に挑戦を始めます。
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周囲の人たちに呆れられても、めげずにトライ&エラーを繰り返す男子高校生4人組。彼らがロケットボーイズです。
・・・
夢の "はじまり" って何だろう?
世界中、いつの時代でも、夢を持つ人たちには、その夢が生まれた "はじまり" の瞬間があると思うのです。
ひとめ惚れのように、ピカッと稲妻が光る感じ?
それとも、小さなタネから時間をかけて芽を出す感じ?
いずれにせよ、何かに魅せられ、心が「それ、いい!」と "ときめいた" 瞬間が夢のはじまりなのではないでしょうか。
ワクワクしたり、じ~んとしたり、なんだかわからないけれど胸がいっぱいになってしまったり――。
そういう時って、魂が喜んでいるんだと思います。美しい瞬間だなぁ、と思います。とても素敵なことです。
本作の序盤では、ホーマー少年のそんな素敵な瞬間が描かれています。誰かの夢の "はじまり" の話を見たり聞いたりするの、わたし、大好きです♩
本当にあった実話が原作
この映画の原作は、ホーマー・ヒッカム・Jr. の自伝『ロケットボーイズ』(原題 "Rocket Boys")。著者であるヒッカムさんは、NASA の元エンジニアです。本作のストーリーが実話だと知って、びっくり!
わたしの宇宙に対する想いは こちらのページ(目次から「10. 宇宙」に飛んでね♩)に書きましたが、現在の宇宙研究や開発技術が、こういう何百何千という人たちの "夢のタネ" から始まっているのだと思うと、たまらなく胸アツです♡
映画の英題 "October Sky" は、"Rocket Boys" のアナグラムになっているんですね~!
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こちらは、ヒッカムさんご本人と主演のジェイク・ギレンホール。
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すごいなぁ。自分の青春時代を俳優さんが演じてくれる、ってどんな気持ちだろう。
夢を追うプロセスに希望が湧く
夢のはじまりが "ときめき" だとしたら、夢を追うプロセスは "継続" と "挑戦" と "出逢い" なのかもしれません。
本作では、ホーマー少年と炭鉱で働く父との関係が丁寧に描かれています。息子には、自分と同じように炭鉱で働いてほしいと思っている父。一方、自分の夢を理解してもらえない息子。
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父親役はクリス・クーパー。『アメリカン・ビューティー』、『ボーン・アイデンティティー』等にも出演しています。
反対されても、やめたくない、やめられない。"継続" の原動力になるのは「好き」という気持ち。これもすごい。尊敬します。
継続していると、仲間ができ、応援してくれる人や協力者が現れ、導いてくれる良き師に出逢う。
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恩師のミス・ライリーが、また良い先生なのです~! 『ジュラシック・パーク』、『マリッジ・ストーリー』のローラ・ダーンが演じています。
まるで成功哲学の本に書かれているプロセスのお手本みたいですが、ホーマー少年は決してそれを狙って上手く立ち回っているわけではない。試行錯誤の連続なわけです。
胸に秘めた夢があるけれど勇気が出ない人、夢に向かって何か行動している人、そんな夢追い人たちに希望を与えてくれる映画です。
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