ジョー・ブラックをよろしく
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
1998年のアメリカ映画。ブラッド・ピットが地上に降り立った死神に扮し、人間の女性と恋に落ちる姿を描いたロマンチックなファンタジー・ドラマ作品です。原題 "Meet Joe Black"。
共演に『羊たちの沈黙』、『日の名残り』のアンソニー・ホプキンス。監督は『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』のマーティン・ブレスト。1934年の『明日なき抱擁』をベースに、リメイクされた作品です。
ブラピ史上、最も素敵なブラピ♡
と聞かれたら、わたしは長いこと、迷わず「ブラッド・ピット!」と答えていました。出会いがどの作品だったかも覚えていないくらい、ブラピの出演作をたくさん観ました。一時期は、漁るように。それくらい、大好きな俳優さんでした。
だって、カッコいいんですもの!♡
理由はありません。まさに "Just my type”(モロ好み♡)だったから……♩笑
良い機会なので、わたしがこれまでに観たブラピの出演作をリストアップしてみましたよ~。ちょうど 20作品!
結構観ていますね。自分でもびっくり。
大好きなブラピではありますが、2011年の『マネーボール』以降、彼の出演作をあまり観なくなってしまいました。理由は主に、この3つ。
このような「ブラピとの歴史」を過ごしてきたせいか、わたしの中ではもはや、“元カレ” のように、なんとも懐かしい、くすぐったい、甘酸っぱい存在となっているブラピ様。
こちらの記事でも、少しブラピのことに触れています。
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今でも唯一、わが家に残っているブラピ・グッズ。
銀座の高級時計店(エバンス)が 2000年に出していた、ロレックスのカタログ♩
しっかりした装丁と印刷。まるでプラピの写真集のよう。髪型の様子から察するに、撮影されたのは『ファイト・クラブ』や『ザ・メキシカン』の頃ですよね、たぶん――。
この一冊だけは、もったいなくて処分できず、手元に置いています♩
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ブラピへの愛ゆえに、いつも以上に前置きが長くなりました。笑
ブラピを(心の)元カレに持つ(笑)わたしが「ブラピ史上、最も素敵なブラピを拝める映画」として全力で推したいのが、本作『ジョー・ブラックをよろしく』なのです!
この世にホームステイする死神
本作でのブラピの役どころは、二役。
ひとつは、大富豪の娘 スーザン(クレア・フォーラニ)が出勤前のコーヒーショップで出会う、感じの良い「青年」。
そして、もうひとつは、スーザンの父である大富豪 ビル(ウィリアム)・パリッシュ氏の元へ “お迎え” としてやって来た「死神」ジョー・ブラック。
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この異なるふたつのキャラクターを、ブラピがしっかり演じ分けています。
わたしが個人的に「演技派の名優」だと思っている、デ・ニーロやゲイリー・オールドマン、ショーン・ペン、ディカプリオなどの優れた演技力には及びませんが、表情や声、体の使い方など、ブラピなりに工夫して意欲的に演じているのが伝わります。
便宜上ここでは「死神」と書いていますが、セリフでは「死」(Death)そのもの、という役なんですよね。
悠久の時をわたり、生きとし生けるものたちの前に現れ、「生」を終わらせる役目を担ってきた。その深遠さ、無慈悲さ、孤独、“この世” のものではない血の通わなさ―― これらをお芝居で表現しなくてはならない、難しい役どころです。
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その死神が、あるきっかけにより人間の世界に興味を持ちます。間もなく死期が迫っている富豪「ビル」に白羽の矢を立て、
と告げるのです。
邸宅の図書室で(ライブラリーがあるのですよ! 自宅に!)、死神がビルの前に初めて姿を現すシーンは、ガラスを使った演出がとてもミステリアスで良かったなぁ。
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あと、「ジョー・ブラック」といえば「ピーナツ・バター」、「ピーナツ・バター」といえば「ジョー・ブラック」というくらい、印象的な有名なシーンがありますね♩笑
これまで「肉体」というものを持ったことのない死神が、初めて “五感” を体感するわけです。そのうち「視覚」と「聴覚」に関しては死神も経験があるようですが、こと「味覚」「嗅覚」「触覚」に関しては、まるで赤ちゃんのような反応を示すのが面白いです。
プールサイドで「そこのバスタオルを取って」と言われて、ぎこちなく体を使うシーンだとか、このあたりのブラピの演技は、なかなか見もの。
理想の父。理想の人生。
死神ジョー・ブラックが人間界の案内役として選んだのは、ニューヨークの大企業経営者で富豪のウィリアム・パリッシュ。愛称は「ビル」。
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パリッシュ氏が、どれくらいお金持ちかというと――
ニューヨークの自宅は、高層ビルのペントハウス。最上階の複数層が、丸ごと邸宅です。きゃ~♩
前述の自宅ライブラリー。マホガニー色の内装が素敵!
こんなにエレガントなプールもあります。まるでホテル!♡
ホールや廊下の至る所に絵画が飾られる、豊かな暮らし。憧れます♩
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広大な美しい庭園を擁する別邸へは、自家用ヘリで移動。
それに加えて、(妻には病気で先立たれているものの)二人の娘から愛され、仕事上でも右腕となる娘婿や部下たちからも慕われ――
ビル自身も、仕事を愛し、家族を愛し、人生を愛し、紳士で、教養に富み、本当に “すべてを持っている” 人物。死神ジョー・ブラックが「第一級の人間」と認めるだけのことはあります。
何より――
毎朝、目が覚めた時に「わたしは満ち足りている」と感じられる人生――。
なんと幸福なことでしょう!
アンソニー・ホプキンス演じるビルが、愛娘スーザンや死神ジョー・ブラックに向けて語る言葉の数々は、「愛とは」「人生とは」を考えさせてくれる、名言の宝庫です。
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あの恐ろしい『羊たちの沈黙』の「レクター博士」と同一人物とは思えません。笑(役者さんって、すごい!)
マーシャ・ゲイ・ハーデンのこと。
「ジョー・ブラック」といえば、わたしが声を大にしてお伝えしたいのが、マーシャ・ゲイ・ハーデンという女優さんのこと。
ビルの長女「アリソン」を演じています。
この方がね~、上手いのですよ!!
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長女アリソンは、間もなく催される父の 65歳の誕生日パーティーを取り仕切っています。とんでもない大富豪のパーティーですから、招かれるゲストの顔ぶれも、パーティーの規模自体も、とってもゴージャス。
そんな一大イベントをプロデュースするとなれば、その準備も大事業なわけで、アリソンは大忙し。会場の設え(設営、と言った方が良いかも!)、音楽を演奏する楽団の手配、招待客に配るお土産の手配、ケーキを発注するパティシエ選び―― 連日、決めなければいけないことがいっぱいです。
で、
アリソンがこんなにも頑張ってパーティーの準備を進めているのは、ひとえに「パパを愛しているから」なのです。
ところが、当のパパ(ビル)は、長女のアリソンよりも次女のスーザンが「お気に入り」の様子。
アリソンは、子どもの頃からずっと、父から「自分へ向けられる愛」と「妹へ向けられる愛」に違いがあることを感じ取って育ってきたのですね。
パパを喜ばせたい。
パパに褒められたい。
パパに愛されたい。
そう願いながら……。
だから、このケーキのシーンがもう、泣けて泣けて……!!涙
わたし自身も長女で、下に弟がいるので、すごくわかるなぁ、お姉ちゃんの寂しい気持ち。
パーティーの当日、アリソンが父と会話するシーンも号泣です。
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このマーシャ・ゲイ・ハーデンという方。「ラストが衝撃的な映画」として映画ファンに名高い、あの『ミスト』にも出演されているんですよね~!
しかも、とってもとっても重要な役です。
他の作品では、『ポロック 2人だけのアトリエ』(2000年)でアカデミー助演女優賞を受賞。『ミスティック・リバー』(2003年)でも、同賞にノミネートされています。
わたしが注目している女優さんです。
わたしのお気に入りシーン♩
どこを切り取っても、美しい、絵になるシーンの多い本作ですが、わたしの好きなお気に入りのシーンを挙げるならば、ここ!
映画の序盤、(ジョー・ブラックになる前の)青年とスーザンがコーヒーショップで初めて出会い、互いに振り返りながら去るシーン。
とっても映画らしくて素敵なシーンです♩ これからご覧になる方は、ぜひ注目してみてくださいね。
・・・
最後に、おまけ。
本作の邦題は『ジョー・ブラック を よろしく』です。お間違いのなきよう――。
ヨロシクでござる。笑
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