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安定と不安定のバランスをとり、行動することで恐怖を消す

 占いブースで鑑定をしていると、かなりの頻度で、社会的には人から羨ましがられる安定した職業についているのだけれど、身体が悲鳴をあげていたり、違うことにチャレンジしたくて悩んでおられる方が相談に来られます。

 日本では、というより世界中どこの国でも、公務員、看護師、業績の良い企業の正社員、オーケストラや劇団の正団員などになるのは倍率が高く、狭き門です。では、その狭き門をくぐったらずっと満足していられるかというと、必ずしもそういかないのが人生の難しいところです。

 そういう職業に就いている方たちは、理性では「今はコロナ禍でもあるし、毎月お給料がきちんと振り込まれる安定した仕事を手放すべきではない」とわかっています。ところが、身体の方に眠れなかったり、胃腸の調子が悪かったりと、何らかの症状が出てきていて、なかには休職中の方もおられます。

病気や体調不良は魂が悲鳴をあげているサイン

 体調を崩すというのは、魂が「私はあなたの生き方についていけません」と言っているサインです。それを無視し続けると、うつ病になったり、ストレスからがんになってしまうことさえあります。ですから、その前に一度立ち止まって、「自分の魂の欲求」に黙って耳を傾けてみましょうとお伝えしているのです。

 世界的No.1のコーチ、アンソニー・ロビンズの弟子にして最年少トレーナーに認定されたピーター・セージはその著書『自分を超える法 The five keys to excell』の中でこう言っています。


人生の質は、あなたが居心地のよさを感じられる、不安定感の量に比例する

 外からは安定した職業だと見えていても、内実はパワハラがあったり、勤務が裁量性で12時間を超えていたり、仕事内容が自分に合わなかったりと、様々な問題や心の葛藤があります。けれども、経済&身分保証の安定を手放せば、この厳しい時代に先が見えない不安定な状況に飛び込むことになってしまいます。それを恐れて躊躇していると、魂が悲鳴を上げてしまうのです。

占いは安定と不安定のバランスをとる一つの手段

 大切なのは、不確実性を受け入れて上手く不安定と安定のバランスをとることだとセージは言っています。その能力が高ければ高いほど、人生の質も高まるのだと。私は占いも、そのバランスをとるためのヒントを得る手段だと考えています。

 例えば、その方が資格取得を考えておられる場合、傷病休暇を申請して給料の3分の2をもらい、サイクルが#1のスタートに良い時期まで待ったらどうかとお勧めすることもあります。「それを許す雰囲気の会社じゃないんです」とおっしゃる方もいますが、傷病休暇の申請は正社員としての当然の権利です。身体と魂の両方が破壊されても会社は責任をとってはくれません。

 医師の友人は「人は病気になったら、なるまでと同じ時間、治すのにかかるものなんだよ」と言っていました。もし既に体調が悪いなら、その状態で頑張れば頑張るだけ、治癒までの時間が長くかかることになるのです。

占いを活用して自分の「思い込み」や「フィルター」を捨てる

 今の仕事を続けながら大学に入って違うことを学びたいけれど、勉強の時間が思うようにとれなくて、ズルズル何年も経ってしまったというお悩みをお持ちの方が来られたこともあります。その方の場合、来春に入学するタイミングがベストだったので、オンラインの朝活や一緒に勉強するサークルを見つけ、固定した時間をとって90分でも必ず勉強する習慣をつけ、まず自分への信頼を回復してはどうかと提案しました。

 そのうえで、もし可能なら半年くらい仕事を休み、受験勉強に専念するのも戦略の一つだとお伝えしたのです。この方の場合は、大学入学という新しいチャレンジが「吉」と出ており、そこでの学びが今の仕事と結びついて、相乗効果をもたらすと思ったので、そうお勧めしたのですが、逆に暫く様子を見た方が良い場合もあります。

 占いというのは、自分では同じところをグルグル回って状況が好転しないので、占術という違う次元の視点を入れて、課題解決を図る行為だと思うのです。

 私自身もそうですが、人は「一生懸命やれば、頑張れば、見てくれている人がいる」「一度始めたことは、最後までやり抜くべきだ」「自分は管理職としての役割を期待されているのに、期待に応えられない不十分な人間だ」等々、生まれた時から徐々に形成してきた「思い込み」や「フィルター」を誰もが持っているものです。

 けれども、病気になるほど頑張っても上手くいかなかったり、自分なりに努力しても効果が上がらない時は、その「思い込み」や「フィルター」をはずさないと前へ進めません。言葉を変えれば、現状を「ブレイクスルー」する為には、視点を変える必要があるのです。

占い師の役割はクライアントの行動する勇気を喚起すること

 カウンセリングは自分で答えを出すものですが、占いは数秘術にせよ、タロット カードにせよ、占術が魂の本当の欲求をあぶりだしたり、今の状況を本人に見せたりするものです。私はそれを「宇宙の視点で見た自分」だと思っています。本当の自分が求めているのはこれなんだと腑に落ちると、人は求めるものを得るために行動することに恐れがなくなります。ピーター・セージはそれと次のような言葉で述べています。

「行動のさなかでは、恐怖は消える」
「怖いのは、行動を開始する瞬間だけ」
「一瞬の恐怖に打ち勝って、行動を起こす勇気」

 占い師の役割は、人生を好転させる正しい方向へクライアントが向かれるようアドバイスすることです。行動するのはお客様ご自身ですが、恐怖に打ち勝って、行動する勇気を与えるのは、お客様が心を動かすような「言葉」です。

 私自身、クライアントの人生の質を高める鑑定ができるよう、占いはもとより、読書や良い刺激を与えてくれる人たちと出会うことで、柔軟な思考と高次の「視点」を身に付けていきたいと思っています。



 

 

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