ミュージカル『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』と望海風斗さんの数秘
猛暑の中、昨日、帝劇で『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』を見てきました。当初は17,000円也のチケット代に気が引けたのと、個人的にムーラン・ルージュという世界観そのものが好みではなくてスルーしていたのですが、親友が取れないと思って2日申し込んだら、両方とも取れてしまったとお声がかかり、天の声と思って、この記念すべき大作を見ることになりました。
見たのは望海風斗✖️甲斐翔真バージョン
この作品、舞台装置がすごいと聞いていたのですが、とにかくロビーから熱心に写真を撮ってる人が多くてビックリ。ムーラン・ルージュというアミューズメント・パークに来たって雰囲気なんですよね。ちなみに、私が見た日のメインキャストは以下の配役です。
私は宝塚の花組時代から望海風斗(だいもん)さんの舞台をずっと見ているので、今回の目的は女優になっただいもんを見ること。なので、サティーンはだいもん一択でした。平原綾香さんは他の『ラブ・ネバー・ダイ』でクリスティーヌを見ていて、ちょっと演技に入り込めない印象がありましたので。
クリスチャンは博多座でトートをやった時の芳雄くんのパフォーマンスが圧巻だったので、芳雄くんも見たいと思ったものの、クリスチャンは駆け出しの作曲家の役なので、実年齢が25歳の翔真くんの方が役に合っているので彼に決定。あとは友人がとったチケットなので、行ける日のキャストの組み合わせがこうだったというわけです。
15分前からパフォーマンスがスタート
このミュージカル、15分前から舞台上でアンサンブルが登場してパフォーマンスが始まるのです。他の人のブログに「絶対に20分前に着席」と書いてあったので、今回は猛暑の中、ランチも食べずにギリギリ20分前に到着することができました。で、驚いたのが、アンサンブルの一番最初に登場した女性のキレイなこと。お顔はもちろん、スタイルも抜群で、この人が主役でも良いのでは?と思わせるほどの容姿でした。それから次々に男女のアンサンブルが登場するのですが、女性はみんな綺麗で選び抜かれた人たちなんだなぁと。自分がこの時代の貴族で、ムーラン・ルージュが「娼館」(劇場ではあるが)なら、絶対に通っちゃうわと思ったのでした。
最前列は足が見えず、顔を見上げる「見切り席」だった
私がなぜ、アンサンブルの容姿について書いているかと言いますと、なんと席がXA、最前列のセンターだったんですよ。本来ならオケボックスのあるところなので、舞台まで1メートルもない近さなんですね。しかも電光飾で舞台が嵩上げされていて、俳優さんを見上げている感じです。一緒に行った親友曰く「稽古場に椅子を持ち込んで見てるみたい」と。俳優さんの足がほとんど見えない「スペシャル見切り席」で、顔はオペラグラスなしにばっちり見える。といか、どうしても顔に目が行ってしまう。甲斐翔真くんの大ファンなら垂涎の席だったかもしれません。舞台全体が見られないのは残念でしたが、オペラグラスを使う必要がないので、すごく演技に集中することができました。
約70曲散りばめた「ジュークボックスミュージカル」
映画も見ず、珍しく予習なしに見た人間として、一番驚いたのは、このミュージカルの曲が全て既存のヒット曲ということでした。よく見るとサイトに「ジュークボックスミュージカルの最高峰」とあるので、後から見て納得したのですが、
例えば、サティーンとクリスチャンが最初に出会って愛を語り合う場面で歌われるのが、エルトン・ジョンの「YourSong」なんですよね。なんでもユーミンが訳詞したそうですが、フランスが舞台なのに「YourSong」持ってくるんだ!!とビックリ。大好きな曲だから許せますが。
解説によると「9世紀のオッフェンバックからレディー・ガガまで、約70曲をちりばめた、きらびやかなナンバーが並びます。二つ以上の曲を混ぜ合わせ、一つの曲にする「マッシュ・アップ」の手法が特徴的です」とのことでjす。なんと同じくクリスチャンとサティーンが歌う「Elephant Love Medley」は13曲もの楽曲で構成されているのだそうです。ですから、どれだけ洋楽やポップスに詳しいかで、楽しめる度外が全く変わってくる作品だと思うんですよ。オリジナル曲を8、9割知っている人なら、「お、ここでこの曲使ってきたか」とか、「こういう組み合わせもあるんだな」とかなり楽しめるんじゃないでしょうか。私の場合は、物語に当ててオリジナル楽曲を挿入している普通のミュージカルをたくさん見ているので、物語が「ムーラン・ルージュ版椿姫」で、世紀のメロドラマのわりには、楽曲が軽めという印象でした。
サティーンはなかなか登場せず、宝塚より地味めかも
あと、主役がサティーンだと思って見に行っているので、なかなかサティーンが登場しないのに驚きました。劇場主のシドラー(松村雄基)が「彼女は最高」「彼女はダイヤモンド」みたいなことを公爵のデュークに言って、パトロンになってもらおうとさんざん盛り上げ、すっごく待たされた感があって幕が開くと、ブランコに乗ったサティーンが降りてくるのです。ところが、宝塚のショー『アパショナード』とか、トップがド派手な衣装を纏って登場するシーンを見慣れている人間としては、やや地味な印象。これならもう少し早く出てきても良かったのでは?と思ってしまいました。あと、宝塚なら80人以上いるので、全員がカンカン踊ると迫力が違って華やかなんです。それに比べると人数が少ないので、ちょっと寂しい。もちろん、アンサンブルのダンスの技量はとても高くで感動するのですが。
露出の多い衣装も着こなすスタイルの良さに感動
だいもんは露出度の高い衣装に長い髪、セクシーなトップ女優を違和感なく演じていました。男役時代はやや小柄で、超絶スタイルの男役が周囲にいたので、それほど容姿に恵まれたスターではなかったのですが、女優さんとしは十分に長身だし、スタイルも抜群。彫りの深い顔立ちなので、そのままブロードウェイの舞台に立っていても違和感がないほどキレイでした。
『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』は退団したすぐ後にオーディションがあったそうなので、普通なら低音がキレイに出る男役は高音が出ないのですが、合格したということは元々音域が広いのでしょうね。あと、だいもんは喉が本当に強い。曲数もかなりある作品ですが、軽々歌っているように見えて感心しました。演劇賞を総なめし、次々と主演が決まるのもわかる気がします。
甲斐くんは韓流スターのようなカッコ良さと安定感
甲斐翔真くん、最初からすごく汗をかいていて大丈夫かなと思ったのですが、こちらも25歳とは思えないほど歌も演技も安定していました。お顔は童顔で可愛らしいのに、183センチの長身で体格はしっかりしていて、韓流スターみたいだなと思いました。この年代の男性って、本当に肌がキレイなんです。翔真くんがクリスチャンを演じていると、伊礼彼方さんのデューク(モンロス公爵)もお金があって、低音が痺れるし、イケメンで素敵なのですが、サティーンが貧しくとも純粋で、可愛らしいクリスチャンを選んでしまう気持ちがよくわかるんですよね。能に【時分の花】という言葉がありますが、まさにそれ。これから暫く、ミュージカル界でひっぱりだこになることでしょう。ただ、私は一度聞いたら忘れられない声に惹かれるタイプなので、伊礼さんのボイスにクラっときますけど。
松村雄基さんのシドラーは人情味に溢れていた
今回、印象に残ったのは劇場主・シドラー役の松村雄基さん。映像の人と思い込んでいましたが、1993年(30歳頃)からずっと舞台に立っておられるのですね。発声もしっかりしていて、立派な舞台俳優でした。昔から活躍されているので、おいくつかと思ってWikiを見たら59歳。剣舞家であり、書家であり、茶道も嗜み、シャンソンも歌われるのだとか。お祖母様に育てられ、そのお祖母様が倒れられてから10年間、ご自分で介護されたそうですが、そういった色々な人生経験が、現実家だけど人情味もあるシドラーに生かされていたように思います。
サティーンは仲間の為に命を賭ける男前の女性
サティーンは13歳の頃から売春をさせられていたという設定で、この時代、芸人は一つ間違えば路上に逆戻りし、路上で歌を歌って日銭を稼ぐ生活になってしまう。そこから這い上がってきてムーラン・ルージュのトップスターになったサティーンだからこそ、仲間を再び路頭に迷わすまい、劇場を潰すまいと決意し、公爵の愛人になるのですね。露出多めの衣装ですが、性格は男前で仲間に対する責任感が強く、宝塚時代に演じた『壬生義士伝』の吉村貫一郎に通じるものがあるなと思いました。
「本当にキスしてる」ことに仰天
宝塚の男役さんって、女優になってもどこか男前で、エロティックとか色気があるとか感じたことがないんですよね。どんな衣装を着ていても、リーダーシップがあって、「ついてきなさい!!」「この組は私が守る」みたいな(笑。ただ、今回は最前列だったので「本当にキスしてるんだ!!」ということに仰天しました。宝塚もキスシーンは多いけど、フリですからね。それに、だいもんはずっと男としてキスしてきた人なので。もちろん、初対面から熱烈な恋に落ちる恋人たちの話ですから、その役になりきって演技していれば自然とそうなるのかもしれませんが、『ネクスト・トゥ・ノーマル』では母と息子役だったのに、二人とも本当に役者なんだなと。とはいえ、やっぱり信頼と生理的に好感が持てる相手でないと、厳しいかもしれませんが。
だいもんは行動力と愛・奉仕の精神に溢れた人
ちなみに望海風斗さんは1983年10月19日生まれ、本名は「大門紋子(おおかどあやこ)」さんとおっしゃいます。数秘術で見ると、ライフ・パス・ナンバー(人生の行程数)「5」の道を辿りながら、ディスタニー・ナンバー(運命数)「6」の使命・目的に向かって歩まれる方です。社会的に培われた人格も「6」。魂の欲求数は「9」。
「5」は行動力、変化、自由のバイブレーションを持つナンバーで海外にも縁があります。努力すれば外国語が堪能になる方も多いです。「6」は愛・家庭・奉仕のナンバー。クリエイティビティの「3」を2つ足したナンバーでもありますから、美的センスに優れ、創造力も兼ね備えています。
この「6」を2つお持ちだということは、愛情深く、家族や身近な人に尽くすタイプのはず。仕事が充実しすぎて恋愛する時間はないかもしれませんが、来年、2024年はパーソナル・イヤー・ナンバーが「1」なので、良い出会いがあれば結婚するにも良い年です。
「9」は1から8まで全ての数の要素を持ったナンバーなので、視野が広く、慈悲深く、利他の心がありつつも、現状を良しとせず、一歩踏み出す変革のバイブレーションをもつナンバーです。だいもんは止まることを良しとせず、進化し続けていくのでしょうね。これほど歌の神様に愛された人は、歌の神に奉仕する運命なのでしょうか。でも、やっぱり「6」をプライベートでも活かして欲しいなぁ。知的で素敵な女性ですものね。
観劇後は帝国ホテルの「はまの屋パーラー」で軽食を
余談ですが、親友も私もランチを食べ損ねたので、終演後に帝国ホテルのタワー棟4Fにある「はまの屋パーラー」でお茶しました。今時珍しい、レトロな喫茶店で、ボックス席はとても落ち着きます。あまりに暑かったので、二人ともはまの屋特製ジンジャーエールとスペシャルサンドを注文。美味でした。1階のカフェはいつも混んでますが、4階まで上がってくる人は少なくて、観劇後のお茶にぴったり。おススメです。
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