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言葉の魔法使い

言葉の持つ力は偉大。

たった一言で一生消えない傷を作ることができる。
たった一言で相手を絶望の淵に追い込むこともできる。

特殊な魔法ならまだマシだったのに、
その力を誰もが持っているから簡単に誰もが加害者にも被害者にもなれてしまう。

当たり前のように使えるのに、
危険で脆くて恐ろしい力。

でもその逆も然り。
人を救えることだってある。
誰もが絶望の淵から救い出せる魔法使いになれる。

私は今日、そんな言葉の魔法使いに救われた1人だ。

特別なことを言われたわけでも言ったわけでもない。
でも相手を気遣う言葉が要所要所に含まれていて、その気遣いが私の心をとてつもなく救った。

また話しましょうという締めくくりが、
なんとも爽やかで希望のある素敵な響きだった。

会話だけでこんなにも心地よい気持ちにさせてくれるその人は、まさに私の心を癒した魔法使いだった。

でもきっと、その人が特別なんじゃない。
誰にだって、私にだって魔法使いになれるのだ。

ついつい自分をわかってほしくて延々と愚痴を言ってしまったり、責めるような言葉を使ったり、自分のことを隠さずに話をしなくてはと開けっぴろげにしようとして、相手の気持ちをはばからずに会話をしてしまうことが多いのではないだろうか。

また聞く側も大事な人であればあるほど、
話を聞いてあげなくては、自分が理解してあげなくてはと躍起になるけれど、
それは着実に確実に自分の心を蝕むこともある。

相手に魔法をかけられて動けなくなってしまうこともある。自分から自分へ魔法をかけて苦しんでしまうこともある。

どうせなら、救えるような魔法をかけたい。

自分にも、相手にも。

私が救われた時のように。

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