意識の矢印

自分がこれまで人と話さないことを選択して生きてきたとはいえ、会話をすることがこんなに難しいことだとは知らなかった。

俗に言う、会話のキャッチボールの仕方がわからないのは致命的だと思った。

そんな中で、大学の講義内でコミュニケーションについての話題が上がった。
ディスカッションする講義なので、人との会話は必須だからこそ教授は伝えてくれたのだと思う。

「人見知りで上手く話せないという悩みを相談してくれる人がいます。毎回知らない人と話すこの講義はとても苦痛だと思います。そんな皆さんにひとつ意識して欲しいことがあります。意識の矢印です。

人見知りだという方は必ずと言っていいほど、
変なことを言ってしまわないか、馬鹿にされたりしないか、何を話せばいいか分からないと言います。

それは、相手のことを思っている様で、実は意識は自分の中に向いています。
それが意識の矢印です。
その矢印を、ほんの少しの意識でいいので相手に向けてみてください。
この人はどんな人か、どんな意見を持っているか、どうしてそう思うのか。
色々と疑問が湧き、興味になり、それを言葉にするだけでコミュニケーションの幅は広がります。

ぜひ今回のディスカッションで実践してみてください。」

私にとって、その言葉は目から鱗だった。

そんな簡単なことで会話ができるのか?

試しに実践すると、ぎこちないが相手からレスポンスがあり何度か会話のやりとりができるようになった。

聞かれたことにしか答えられなかった自分が、これだけで前進できたのだ。

意識の矢印。

今でも会話に困った際は思い出すことの1つだ。

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