洋服のAHの採寸方法
今日は「AH」についてご説明します。
AH＝Arm Hole（アームホール）。
人体における腕の付け根廻りの寸法といった感じです。
洋服における袖と身頃をつなぎあわせる部分、袖ぐり、 袖ぐり寸法のことでもあります。
一般的にはAHという言葉は会話ではほとんど使わないと思います。
例えば服のAH寸法が小さくて腕廻りがきつく感じた時、アパレル業界では「AHが小さい」と言いますが、一般的な会話なら「脇の下がきつい」「腕廻りが小さい」とか言うのでは
ないでしょうか。
❶カットソーの場合
袖山の点～カマ底までの直線距離を測りましょう。
カットソーは布帛に対して基本的に平面的なパターンで作られています。
（カットソー＝ジャージ、ニット生地とか言われます。布帛＝シャツ地などの織物です）
なので、平たく置けばすぐ採寸箇所が分かると思います。
カットソーのAHは基本的にカーブしたラインになっているのですが、採寸時は直線距離を測ります。
何故なら、カットソーは平面的なので、直線距離を測るだけで十分だからです。このへんはまた後で説明します。
❷布帛のセットインの場合。
セットインとは、袖付け部分にぐるっと縫い目があるものですが・・・
ラグランでもなくドルマンでもなく、よくあるフツーの袖と思って大丈夫です。
（セットインスリーブとシャツスリーブの違いが語られているサイトもありますが、まとめてセットインと呼んでしまう事の方が普通だと私は感じます。）
こちらも❶と同様の測り方です。
ただし注意点があります。
「身頃のAHを測る」というのがポイントです。
→❸をご覧ください。
❸
実は、布帛の場合はとくに、
身頃のAH寸法と袖のAHの寸法とでは差が生じています。
理由は「いせ」分が入るからです。
いせは、袖をより立体的に見栄え良く・着心地よくするためにあるもので、
袖山あたりにAH分量を寄せ集めてモリっとさせるためのものです。
服を作ったことがない人には意味不明ですね。いせは一旦スルーしてください。
とにかく、袖のAHではなく身頃のAHを測るイメージで。そのためには身頃を平たく整えて置いて採寸することが大事です。
❹タンクトップの場合。
なんだか簡単に見えてきました。
これも、袖が付いていないというだけで測り方は同じ。
ただし、この絵は「袖口バインダー始末」ですが、もし「リブW（ダブル）付け」の場合は付け部分（＝縫い目部分）～付け部分を測ることになります。
❺ラグラン袖の場合。
こちらはAHを測る箇所がないため、代わりに袖山の高さを指示されていることが多いです。
まれに、SNP～直下したカマ底の高さまでの距離を採寸する場合もあります。メーカー・ブランドによります。
❻パタンナーさんに依頼する場合
パタンナーさんに依頼せず、仕様書の指示だけでサンプル依頼することがメインになっている会社ではあまりないかもしれませんが、
AHのカーブ寸法を指示＆採寸する場合もあります。
社内または外注でパタンナーさんがいる場合、より繊細な個所までこだわったサンプル指示をすることが可能です。
ジャケットやシャツなどのAHのラインはとくにパタンナーさんがよく見てくれる箇所です。
ジャケットの見栄えの良さは袖の付け方に出るとも言われるくらいなので。
そのため、パタンナーさんがAHカーブラインの寸法を明記してくれることがあります。
きれいな袖付けに仕上がるよう、絶妙な数ミリ単位まで調節してくれます。
ちなみに、カットソーでAHのカーブ寸を指示・採寸することはほぼないです。
何故なら❶でお伝えしたように、カットソーのパターンは平面的だから。そこまで厳密にやる必要がないから、です。
以上、今日はAHについてご説明いたしました。
こうやって毎回文章を書いていると、
あれも説明しなきゃこれも説明しなきゃと思いつくのですが、突っ走ってしまい忘れてしまいます。。。
現在は「採寸箇所シリーズ」として日々更新していますが、
それが終わったら、仕様シリーズや付属シリーズや色々やりたいなと思っていて、書きたいことが溢れかえっています。（そしてまた忘れる）
今日からnoteも始めました。
インスタと同じ内容ですがnoteにもまとめています。
よりブログっぽくてなんかいいです😍笑
では、今週もお疲れ様でした！
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