159歳のクリスマス
こんにちは、菜花あさとです。
皆さん、どんなクリスマスをお過ごしでしょうか。
子ども時代のわたしがサンタクロースにお願いしたプレゼントは、その年ごとに、シルバニアファミリーの人形や家具だったり、リカちゃんハウスだったり・・
かわいらしくて、キラキラしていて。
だけど、他愛もないものばかり。
クリスマスの日は少し早めにお風呂に入って、母に髪をきれいにかわかしてもらって。編み込みなんかもしてもらって。
ウキウキしながら待っていると、車で五分ほどのところに住む大好きな祖父母が、大きなアイスケーキとわたしが願ったとおりのプレゼントを抱えてきてくれました。
そしてはじまる、クリスマスパーティ。
あのころを思い出すと、おだやかな幸福感で胸が満たされます。
愛されていた、ということをたしかに実感するから。
今年のクリスマス
元気いっぱいだった祖父も、何かと口うるさかった母も、ずいぶん前に他界しました。
二人とも、わたしの知らないどこかへ旅立っていきました。
さびしくても辛くても、それが生きているということの一つの結果なのだと、充分すぎるほど大人になったわたしは知りました。
今年のクリスマスは、もうすぐ古希を迎える父と、わたしと、いつの間にかわたしの年齢に追いついてしまった犬と、二人一匹で迎えます。
みんなの年をあわせたら、159歳のクリスマス。
いつかは、ふっと闇にとけてしまう瞬間。
時間は決して止まることはないけれど、それでも・・
わたしはいま、サンタクロースに願いごとをしたいのです。
どうかもう少し、
このメンバーで、世界にいさせてください、と。