見出し画像

サムスン美術 リウム Leeum, Samsung Museum of art

ソウルには意外と坂が多い。
駅からのろのろと坂を昇る。大きなお家や大使館を越えて。

坂に沿うように、悠然と現れた建物。
地下へと潜って行くような、シックなエントランス。
中へ入ると、モダンな空間が広がっている。

古美術と現代美術との2つのMUSEUMに分かれた館内。
いざ、古美術の展示されたMUSEUM1から。
なんといっても、今回の旅の目的は青磁をたくさんみること。
松本民芸館でみた、高麗青磁と李朝白磁がたくさんみたくて
韓国まで来たのだから。

エレベータを降りて、一歩踏み出す。
薄明るい空間に、なんとも品よくポーズをとっていて、
艶艶で色っぽくて、でも、無駄がなくて削ぎ落とされている。
そんな作品がいくつも、展示してある。
ミニマルなフォルムに、精巧な装飾はさりげなく。

展示ケースは、壁に沿ったものだけでなく、柱のようなガラスケースが
床から伸びているものと、天井から提げられたものとがあって
柱の四面がガラスなので、いろいろな角度からまじまじと
観察することができ、天井から提げられたものは、まるで
作品が浮かんでいるようにもみえる。

展示品は、どれも素晴らしく状態がいいもので
腕によりをかけてこの場所に集められたことがわかるものばかり。

現代美術のMUSEUM2も、選りすぐりの作品ばかりで
マーク・ロスコ、ゲルハルト・リヒター、ダミアン・ハースト
そして、ナム・ジュン・パイク、李禹煥など韓国に関わりのある
アーティストの作品も。

空間は、ホワイトキューブではなくて、黒い壁と白い壁が混在して
そとからの光が入る大きな窓があって、天井も高くて
空気が抜けるようで、くつろいで鑑賞できる空間になっている。

難しくなりすぎず、じぶんのペースで想像を巡らしながら
鑑賞できている感覚がある。

時代を飛び越え、地域を飛び越え、うつくしい選ばれしものが
ここに集まっている。
ああ楽しい。美しく、不思議を投げかけてくるものに囲まれて
わくわくする。
わたしは、この感覚を求めてどこまでも旅に出ようと思う。

いいなと思ったら応援しよう!