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松本市美術館
旅の目的地が美術館であることが多くて、今回もご多分にもれずに
そして今回はこの展覧会のために、はるばると電車を乗り継ぎ山を越え
川を越えやってきた。
「草間彌生 ALL ABOUT MY LOVE 私の愛のすべて」
建物の前を通るなり、目が釘付けになる。
毒々しい華がこっちを見ている。
そしてガラス張りの建物には、無数の赤い水玉が張り付いている。
繊細な日本画や、暗く宇宙へつながるようなコラージュも
とてもインパクトがあって、何度観ても引き込まれてしまうのだけれど
今回とくにこころつかまれたのは、インスタレーション。
水玉のオブジェやライトをたくさん使って、ぱっと見た感じは、
色や模様がとてもポップなのだけれど、
すこし頭を空にしてそこに立ってみると床がなくなって
浮かんでいるような感覚になる。
鏡に反射して、無限に反復される空間とわたし。
世界は粒子で出来ていて、つぶつぶの集合でしかないのだったら
自分のかたちをつくっているつぶつぶを分解して、
世界と融け合ってしまいたいなあ、と漠然とでもそれなりに強く
思っていた時期があって、今でも風に吹かれたり、
夜道をだらった歩いてたりすると、ふとその気持ちがわき上がってくる。
それが、現実にあらわれたかんじ。
ただ、自分の輪郭は意外と残っているかんじ。
無限とか永遠とか、体感したことないし本当にあるものなのか
空想することしかできないけれど、じぶんが展示空間の中に
いるその瞬間はそれらが確かに存在するものと思える。
距離や時間は、わたしのなかでいくらでも超越ことができるのだ。
チャイムで知らされる始業と終業の時刻。
お昼休みは60分。
いつもの生活が、ふーっと遠くかなたに消えて行った。