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がんばれに代わる言葉

つらいとき、どうしようもなく不安なとき、自信がないとき、


私はすぐに弱音を吐く。

友人、恋人、家族に弱音を言う。

その度にたくさんの言葉の贈り物をもらい、すくすくと生き延びてきた。

初めて転職活動をした時、面接でうまくいかなかったらどうしよう?

この先、生きていけるのかな・・・・・

というくらい深刻に思い詰めていた。

ある日、面接に出発する朝、心臓がバクバクして、
とてもナーバスになった。

一番の友人に連絡をしてみたら、
「楽しんで」と一言。

がんばる必要がある日に、楽しむという発想はなかった。

今後の生活がかかっている転職活動なんだから、
間違わないようにするとか、集中するとかってことは考えるけれど、
楽しむなんて・・・

でも、「どうしたら楽しめるかな?」と考えてみたら、肩の力が抜けた。


わくわくした。

そうだ、楽しんでもいいんだ。

面接官はどんな人だろうか
会社の雰囲気はどうだろうか
同期になるのはどんな人たちだろうか
通勤することになったら、どんな道を歩くだろうか

その時の転職活動は、全てがうまくいったわけではないけれど、
それぞれの面接や試験で新しい発見があったり、
自分というものを知ることができ、緊張の中でも楽しめたと思う。

「楽しんで」という言葉は、不安でどうしようもなく追い詰められていた自分にとって、おまじないのようなものだった。

不安とは別の世界に飛ばしてくれる。

今でも不安になるたびに、記憶の奥から引っ張り出してきて、
心の中で唱えてみる。

その友人はもう、自分の言った言葉さえ覚えていないかもしれないけれど、
私も必要なときに、大切な人にこんな言葉をかけられる人でありたい。

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