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オンライン授業が始まった

 帰国して1か月以上たち、ついに留学先の大学のイースター休暇も終わった。オンライン授業に移行し、留学生も受けられるということで、続けることにした。

 

 イギリスの大学の授業は「レクチャー」(講義)と「セミナー」の2つで構成されている。レクチャーで理論を学び、セミナーでディスカッションをするという流れ。
オンライン授業になってからは、「レクチャー」のビデオが大学のページにアップロードされていつでも見られるようになっている。字幕をつけてくれる先生もいる上にビデオを止めてスライドを確認できるので、対面の授業より理解しやすくなった。でも、質問があるときにその場で聞くことができないのは残念。

「セミナー」は授業(先生)によってやり方が違う。ある先生はMoodleのディスカッションフォーラムという、ネット掲示板みたいなものを(喩えが悪い)利用している。あらかじめディスカッショントピックが書かれていて、学生はそれに対して答えや考えを書き投稿していく。これも私にとってはラクだ。対面での授業と違い、話すタイミングを掴み割って入る必要がないから……。以前は、「英語でどういえば言いのだろう」などと思っているうちに置いていかれていた。とはいえ、一番最初は誰も投稿しなかった。そこで、先生が自分で「ゾンビもの好きです」(この週のテーマは「ゾンビ」だった)と書き込んだうえ、それに「私も!」と先生自身が返答するという力技のアイスブレイクを行い授業が始まった。

もう一つは「Microsoft Team」というアプリを使う形式。Zoomミーティングのようだけれど、先生一人のビデオが映り学生は質問等をチャット欄に書き込んでいく。これは私にとっては難しい。イギリス人の書く(打つ)スピードに全然追いつけない。そもそも、いつも英語で書くときはGrammarlyというアプリに文法やスペルミスをチェックしてもらってから送信や投稿をしているんだから……。

 オンライン授業になっても内容は変わらず面白い。問題は時差で、「この時間までに答えを書いて」などと言われた時にはイギリス時間と日本時間で合わせて考えないといけない。けっこううっかりして時間を間違える。あと、大体昼間に授業があるため、日本時間だと深夜になってしまう。深夜に一人ホラー映画の授業を受けるのはなかなか怖い。特に『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のワンシーンを観るのは嫌だった。

ホラー映画の授業の先生は皮肉というかユーモアたっぷりなので、レクチャーを聴いていてもくすっとする。「Found footage horror」という『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や数年前大ヒットした『パラノーマル・アクティビティ』のように、「実際に撮られた残された映像を見る」という設定のホラー映画がある。もちろんフィクションだけれど、『ブレア・ウィッチ~』だと「魔女に関するドキュメンタリー映画を撮っていた学生が失踪し、フッテージだけが数年後に発見される」など設定が凝っており「本物」のように見える。折しもオンライン授業なので先生の投稿した「Found footage horror」の授業ビデオ自体が「フッテージ」になってしまい、「何か起こるかもね」と言っていた(怖いこと言わないでくれ)。このパンデミックのあとは、オンラインで起こるホラー映画ができるかもしれない。オンライン授業を受けていた学生が、不審な動画/書き込みを発見し……とか。ないか。


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