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あけましておめでとうございます

 新年早々、母が怪我をした。雪に慣れていない地方に珍しく降雪があった次の朝のことである。それに伴い、大急ぎで実家に帰ることになった。2日前のことである。取るものもとりあえず、といった体だ。

 昨冬、初めての子供を出産した。

 よくよく考えずとも、駆け足の一年だった。我が家にやってきた男の子はありがたいことにとても健やかボーイなのだが、一歳を迎えてとても甘えん坊である。基本的にわたしと一緒に過ごすのが普通で、わたしも独りの時間がほとんどなかった。あって整体に行く、とか、髪を切りに行く、とかそんなものである。そしてその機会というのが、驚くほど少なかった(コロナ禍というのもあった。できるだけ外出自体を減らしいていた)。

 そこへ来て、母のSOS。最初こそサインと入院に必要なものを揃える必要があったが、コロナの影響で病院へは殆ど行くことができないだろう。不足のある物品を届けるくらいか。息子と留守を頼んだ夫が、お義母さんのことは心配だろうけど家のことは気にせずゆっくりしてくればいい、身体も休めて、と言ったことで、産後初めての長期のお休みを思いがけない形で過ごすことになった。

 とはいえ、気にならないはずがない。息子はどうしてるだろう、何かにつけて頭を過ぎる。

 ビデオ通話の画面越しに見る息子は新鮮である。彼は突進する勢いでスマートフォンに興味を示す。もしもし、と在宅勤務中の夫がやるのに参加したいのか、盛んにおしゃべりを横でしているのだが、ご多分に漏れずわたしとの通話の際もよくおしゃべりをしている。画面の息子に向かって手をあげたり振ったりしてみせると、ご機嫌に手を上げ返してくれる。双方向コミュニケーションが成立していることに感慨深いものがある。

 母の手術はイレギュラーなもののため、丸1週間待機ということになり、わたしは手持ち無沙汰で、どれだけ思考が息子や家事に占められていたかを実感している。