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[CROSSVALUE Chain]ストレージ技術の進化:2000年代から現代まで


先日CROSSVALUEのDiscordでトークを行いましたが、その裏で色々と調べて自分が興味があったことをnoteに記録します。(みんなの一助になりえないと思いますが、ほとんど利用することのないトリビアとして残しておきます)

特にストレージデバイスの進歩は目覚ましいものがあります。今回は、2000年代初頭から現在に至るまでのストレージ技術の変遷について詳しく見ていきましょう。

2000年代:HDDの時代

21世紀の幕開けと共に、ハードディスクドライブ(HDD)はストレージ市場で圧倒的な存在感を放っていました。サーバーからデスクトップPCに至るまで、HDDは信頼性の高いストレージソリューションとして広く利用されていました。2000年に発表されたパソコンをみると、20GB程度の容量であったことを考えると、いまのスマホの何分の一だろうか?というぐらい非常に少ない容量であったことがわかります。昔のiPodもハードディスクがメインの記憶装置でした。この頃東芝がモバイル向けのハードディスクのシェアの多くを持っておりました。

金属の円盤が超高速で回転しており、金属の円盤に、データを記録しておりました。円盤と読み取りヘッドの隙間は0.02マイクロメートルのところを浮遊しており、その距離はタバコの煙の粒子の1/100と言われておりました。。
たとえとしては、ジャンボジェットが滑走路の数mmのところを飛行するというような非常に複雑な仕組みを実現しておりました。

富士通サイトより:https://www.fujitsu.com/jp/products/computing/storage/lib-f/tech/beginner/disk/


SSDの台頭

しかし、2007年から2008年にかけて、固体ドライブ(SSD)が登場し、ストレージ市場に新風を吹き込みます。初期のSSDは価格が高めでしたが、大容量化とコスト削減が進み、2010年代に入ると、HDDとSSDは市場で肩を並べるようになりました。今までは、ディスクが回転していたのですがSSDは回転することはなく、半導体メモリに直接記録するというものでHDDに比べて非常に高速でした。

この頃に発売されたPCには、80GB程度のサイズの容量が搭載されておりました。


クラウドストレージの普及

同時に、2000年代からクラウドサービスの普及が始まり、消費者にもクラウドストレージの利用が広まりました。データのリモートアクセスやバックアップが簡単になり、ストレージの利用方法に大きな変革をもたらしました。現在では、スマホがクラウドストレージと連携するのは当たり前なことではありますが、このクラウドストレージも2000年代から始まった取り組みになります


SSDの技術革新

最近のSSDは、容量を増やすためにMLC(Multi-Level Cell)、TLC(Triple-Level Cell)、そしてQLC(Quad-Level Cell)など、セル当たりのビット数を増やすことで、容量とコスト効率を向上させています。この3D構造の技術革新により、SSDはHDDをコストパフォーマンスで上回りつつあります。1セルあたりの記憶容量を増やすもので、通常は1ビットを示しているのですが、これを2ビット、3ビット、4ビットと1セルの容量を増やしていくものです。同じセルの数でも、SSD容量を2倍、3倍、4倍とすることができます(界王拳?)

SSDのオーバープロビジョニングの役割

SSDにおいては、「オーバープロビジョニング」という技術が重要です。これは、SSD内部のセルが故障した場合に備え、実際の容量よりも7~10%多くメモリを搭載しており、故障したセルの代わりに新しいセルを使用する仕組みです。例えば、256GBのSSDには実際には約307GBの物理容量が搭載されており、そのうち51GBが予備領域として利用されます。特にデータセンター向けのSSDでは、このオーバープロビジョニング比率が非常に高いことが特徴です。

このように、ストレージ技術は常に進化し続けており、私たちのデータ保存方法に大きな影響を与えています。今後もストレージは進化を続けていくものと思います。


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