[NEAR Protocol]2023年を振り返る
今年NEAR Protocolを追ってみて非常に面白かったのはBOSで躍進したと思われる。また、彼らが常々いっていた、大きな会員基盤との提携を行うというのはKai-Chingなどで達成されたのではないか?と思います。
また、今年の後半に入ってからは、DAレイヤーなどを担当や、PolygonCDKへのzkWASMの提供など他のチェーンの根幹部分を担うという発表もあることから、自分のプロトコルために拡大というだけにとどまらず、他のチェーンへの技術提供がはじまることから、非常に重要なポジションを締めている。
ただ、今月に入ってOrdinals($NEAT)の発行により1日あたり1000万トランザクションを超えて、チェーンの限界の状態になるのをみていると、シャーディングが4シャード(現在は4つのシャードで運用。この問題発生してから、更にシャードを分けているのでもう少し増えている可能性も)になっているが、4つでは足りない事がわかった。
シャーディングの実装も変更することを発表しておりいままでのNightShardというシャーディングからStarSightというZKベースのシャーディングに変更することも発表しており、シャーディングは続けるが、異なるアプローチでのシャーディングを行うことも発表している。
また、CEOがIlliaに戻ることにより更に前に進むのであれば楽しみにしたい。
地道ではあるが、一歩一歩すすめているプロトコルになっている。
3行で説明
2023年、NEARの月間アクティブユーザーは6倍の500万人に、一日のトランザクションも7倍の1000万回に成長。大規模消費者向けdAppが原動力。
2024年の目標は、オープンウェブスタックの統合性向上、クロスチェーン間連携の改善、プライバシーとセキュリティの強化。
地域コミュニティは開発者とパートナーシップが大きく拡大。Nym、Octopus Network、Potluckとの提携で、プライバシーと公共財供給に注力。
2023年のNEARの成長と実績の振り返り
月間アクティブアカウント数とトランザクション数について補足します。
月間アクティブアカウント数は、2023年初頭は約80万だったのが、年末には500万を超えるまでに成長しました。これは約6倍の成長率です。この成長を後押ししたのが、SweatcoinやKaiCityなどの大規模なdAppがNEARに参入したことです。これにより消費者アプリのユーザーがNEARに流入したことが大きいです。
一日あたりのアクティブアカウント数も150万から1000万以上へと約7倍に拡大しています。
一日のトランザクション数も著しい成長が見られ、2023年中に1000万トランザクションを超える日が複数回発生しました。これもdAppの成長が追い風となっています。
このように、NEARは実際のユーザー数や取引数の両面で大きく成長を遂げました。2024年もこの勢いが続くか注目されます。
2024年のNEARのロードマップと目標
以下の3つが主なポイントだと発表されています。
1つ目は、オープンウェブスタックの拡充です。これはNEARプロトコルだけでなく、他のブロックチェーンやLayer2など、分散型テクノロジー全般を統合的に扱う基盤を作る取り組みです。チェーン間の相互運用性を高め、ユーザー体験の改善を図ります。
2つ目が、チェーン間の相互運用性向上です。NEARアカウントから他のブロックチェーンでの取引を可能にするなど、異なるブロックチェーンをシームレスに利用できる環境を整える方針です。
3つ目が、プライバシーとセキュリティの強化です。Nymといったプライバシープロジェクトとの連携を深め、NEAR上のアプリケーション利用の際のプライバシー保護を高める取り組みです。
NEARの地域コミュニティのアップデート
以下の地域から1年の活動実績と次年度の計画が発表されています。
・ベトナム:大学での教育プログラム、開発者向けイベント、NEAR PACなどのカンファレンスを実施。結果、開発者数やブランド認知度が大幅に拡大。2024年も教育とグラントに注力。
・バルカン:Strategicパートナーシップを構築、50以上のイベントを実施。Web2企業へのアプローチなど参入戦略を拡大。
・グローブ:各地域コミュニティをNDCの方針に沿って運営。各コミュニティの活性化と新規参入支援に取り組む。
このように、各地域コミュニティは独自の強みを活かしつつ、NDCの全体方針に基づいて活動。2024年も活発化が期待されています。
パートナーシップ
・Nym: プライバシー重視のインフラを提供するプロジェクト。NEARのユーザーがdAppやDeFi、NFTなどを利用する際のプライバシーとセキュリティを向上させることを目的として、より強固な提携が発表。Nymの匿名通信ネットワークを。利用することで、NEAR上のサービスを外部からの監視や攻撃から保護する狙いがある
・Octopus Network: NEARのステーキングと提携したリステーキングサービスを12月中に開始予定。NEARトークン保有者に追加のインセンティブ付与が狙い。Cosmosのブロックチェーン上で動作するプライバシー対応プロトコルであるSecret Networkが、このAdapted IBCを利用してNEARとの間で通信を行うことができるようになる予定
・Potluck: パブリックグッズ(公共財)を支援するプラットフォーム。NEARエコシステムの公共財作成と社会的インパクトの実現に注力していく考え。オープンソース開発や社会貢献活動など、公共的価値のあるプロジェクトが資金調達を行うことができる仕組みを提供します。