終遠のヴィルシュ-EpiC:lycoris- Tradition-Drifter-感想
次はこれまで何度も名前や存在が出て来て、アルペシェールの歴史、そしてアンクゥを語るには欠かせない漂流者の物語を紐解いていきますよ〜!
↪︎以下前作及び前作の真相含むネタバレあり
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終遠のヴィルシュはやっぱり原点から愛の物語だった。
これに尽きます。
愛とひとことで言っても、色んな形の愛が詰まってました。
恋を経て辿り着く愛はもちろん、友愛や家族愛も。その象徴がリコリスノワージュだということも、この話で再認識出来た気がする。
そんなリコリスノワージュを守護しているノワージュ家の先祖でもある彼がどんな人生をこの国で歩んでいったのか、見守っていきましょう!
終わらぬ友情の結末……この時点で感動する話の予感が。
そして漂流者の祖国は日本だということはリコリスを「彼岸の花」と表す時点で分かるんだけど、最初に流れてるBGMが和風でかなり好みな曲。
この漂流者さん、とてつもなく知的好奇心が旺盛な方な様子。それがあの4冊の本に繋がったんだろうな、と既に分かるほど。
そして新たな発見。この話、江戸時代の話なんだ!
漂流者さん(その内本名出て来るかな)は、家業なのかな、国の外で物資を売り捌く仕事をするため船で旅立つ。……これって途中で嵐とかが起きて漂流者さんは奇跡的にアルペシェールに辿り着いて、そこで一生を過ごす流れとみた。
船長から頼まれ、名付けた船の名前は「ヴィルシュ」
仮想と方舟の2つの単語を合わせた造語…漂流者さんの造った言葉だったのか…!
これは、思ってた以上にアルペシェールというか終ヴィルの歴史に深く関わってる気がして来た。いいね、実に興味深いぞ。
先程の予想通り嵐により漂流者さんがアルペシェールへ漂着。BGMも和風から聴き馴染みのある曲達へと変わっていて芸が細かいなと思わず感心。
あれ?!背景見ると既に海岸に黒いリコリスが咲いてるね?!これって漂流者さんが来る前から咲いてる花だったっけ……記憶が曖昧だ…
私が覚えてないだけで、きっと本編のどこかに元々リコリスが咲いてたって記載があったんでしょう。なんとなく三幕とかイヴくん√ とかシアン√ 辺りのリコリスの秘密を解く場面であった様な気もする。ほら、そんなことを考えていたら黒いリコリス畑も広がってる。ここはとりあえずはるきちの記憶力の曖昧さにくすりと笑ってください。
(後にアンクゥが繁殖させたことが分かるのであった。まる。)
話がちょっぴり逸れましたね。
漂流者さんに声を掛けた夫婦はセレスちゃんの両親か…?と思ったけど、時間軸的に違うわ、確か大分何百年も前だもんな…でも夫婦が授かっている子どもは今後話に関わってきそうな気もするので覚えておこう。
夫婦のお名前はユーグさんとナタリアさん。漂流者さんも自身の名前を告げる。………漂流者さん、やっぱり本名あるね!気になる!
気になるといえば、漂流者さんの立ち絵がまだ出て来ないのも何か理由があるのかな。公式サイトにはちゃんとお姿があるから、出さない理由も現時点では特に思い当たらないんだよね🤔
黒いリコリスが気になる漂流者さん。
そういえばリコリスがアルペシェールに咲いてる理由も本編で記されてたっけ…?とリコリス関連の記憶がやっぱり曖昧なはるきちさん。気になるも、考えても黒い理由には思い当たらず保留となる。
ここでユーグさんが咳き込む。あまり触れられなかったけど、これってリコリスの影響か呪いによる咳よね。たぶん、漂流者さんはこの夫婦が呪いによって迎える寿命を遠くない内に見ることになるんだろうな…と考えていたら、漂流者さんがこの国にはお年寄りが居ないことに気付く。鋭い!!見知らぬ土地で過ごす初日にそこにも気付くとは流石。
知識が豊富な人だからかな、色んなものを見て、色んなことを自身の知識や経験を元に考えて答えを出して、現状と照らし合わせて、と帰るために立ち止まらず少しでも前に進もうとしている姿勢が伝わってくる。伝わってくるんだけど、どうにも漂流者さんとナタリアユーグ夫妻の会話が噛み合わない部分が段々と目立って来るのも、アルペシェールの真実に近付いてる気がしてそわそわしてきちゃったな…!
ひとつ思ったんだけど、この時点ではリライバー技術ってまだないよね?シアンがそれを確立させるのって漂流者さんが4冊の内の1冊をシアンの祖父に贈って、そこから研究が始まるはずだから漂流者さんが漂着したばかりのこの頃はアルペシェール国民は短い寿命を当たり前のこととして受け入れて、というより他の国ではもっと寿命が長いことすらも知らずに生きてたってことか。
改めて、アルペシェールの歴史の大分初期を見守ってるんだね。
それから2ヶ月が経ち。
とうとうユーグの寿命が訪れる。が、やはり【寿命】の常識が違う漂流者さんと夫妻の会話はここまで来ると全く噛み合わない。
「彼はまだこんなに若いんだぞ!」と声を荒げる漂流者さんに対し、夫妻は「23年近くも生きられたんだから他の人より長生きだ」と静かに冷静にそして穏やかに語る。
ここで漸く、自分の故郷や知っている国とこの国では寿命の訪れる年齢が違うことに気付き、それを確信に変える様に今まで感じていた違和感がゆっくりと、でも確実にパズルのピースの様にぱちりぱちりとはまっていく。
この事実を知った時の反応、アドルフを思い出すね…自分の生きていた世界とは明らかに違う世界。異質に見えるのは世界なのに、自分が立っている場所では自身が異質な存在となっている。うーん、終ヴィルだな〜…
ここの場面の人間の外の世界での寿命の話をした途端民衆の視線が向くスチル?イラストか、これが妙にリアルに視線を感じてちょっと声を上げてしまった。背筋がひんやりした。
でもなあ、なんだろう。
少し違和感。これまで常識だと思ってた23年の寿命が実は違っててもっと長生き出来るってことを、異邦人のたった一言でここまですんなり信じて、絶望出来るものかな…?
まずはその言葉の真偽を疑ったり確かめたりしそうなものだけどな。「人はもっと生きられる存在だ、自分も25歳だ」という言葉をあまりにもすぐに受け入れ過ぎてる様な。気のせいかもしれんけど。
あ!ここでやっとバックログに漂流者さんの立ち絵が!この漂流者という呼び方はアルペシェール王家が名付けたらしい。謁見の間に連れられた漂流者さんは、シアンの祖父と思われる人に遺伝子学の本を贈る。これは本編でも語られていた場面ですね。
その後呪いを解くことまでは至ることが出来ずブロフィワーズ家を始めとした王家、民衆は漂流者さんを実験体にしようとし、彼はリコリスが咲き乱れる孤島へ脱出。そこで16年の時を過ごす。
アドルフが、自分が第二の漂流者だということを隠して23で穏やかに息を引き取りたいって言ってたのは、こういう状況にならないためだったんだろうな。漂流者さんもアドルフも長命の身体を持つのは世界で自分だけだし、何よりアドルフはマムの協力もあって何とか目立たずに暮らしてたから尚更アルペシェール国民だと思われていなければという気持ちが強かったのかも。
ここで出会った後に妻となるリルさん。
出会った時に16歳で亡くなったのが21歳。奥さんとたった5年しか一緒に居られなかったのか……切ないよ…
けど、漂流者さんの心の強さを目の当たりにするはるきち。息子を立派に育てることを誓い。
「アルペシェールに悲観はしたが──。
決して、嫌いにはならない。」
故郷へ帰りたいと何度も思っただろうし、寿命を国民に伝えてからはアルペシェールから飛び出したいと思ったことだって何度もあっただろうに、リルさんと出会ったこの国を嫌いにならないとはっきりと誓う、その強さ。
そして彼女への愛の深さ。たった5年でも、リルさんが漂流者さんにとってどれだけ大切で支えられていたのかが分かる。
その一年後、ようやく!!アドルフ、後のアンクゥと出会う!!
そしてここで物語の中でも漂流者さんのお姿が!!!!うわ〜〜〜〜ノワージュ家のお顔立ちだ〜〜〜〜!!絶妙にイヴくんの面影…いや、逆か、イヴくんに漂流者さんの面影がしっかり受け継がれているのが分かります。うん、確かにイヴくんの先祖だわ。
漂流者さんの立ち絵も出て来たところで、ここからが漂流者さんとアンクゥの物語の始まりって訳ね!気合い入れてくぞ!
アンクゥも思わずイヴと呼んでしまうくらい似ている。血を引いている子孫だから当たり前なんだけど、立ち絵見ててもイヴくんより少し静の雰囲気があって(和服が醸し出す雰囲気というのもあるかも)手の見えない長い袖を口元に持ってくる差分が好きです。
ここで選択肢!全部選んでいると名前を尋ねるで、なんと漂流者さんのお名前が明かされるじゃありませんか!環さん。素敵なお名前ですね、今後は環さんと呼ばせて頂きますね!
そしてそして、環さんとアンクゥの会話は続く。会話の中で改めて名乗る環さん。笏木環。それが本名だと。ここまでずっと本名が語られなかったのは、このアンクゥとの出会いの場面で名乗るためだったんだと思ったら、2人のこの出会いがアルペシェールにとっても、アンクゥにとっても、そして環さんにとっても凄く大切な出会いだったことが窺える。
選択肢で食事を用意するを選んだ後のお料理場面。もうこれはイヴくん、しっかり家訓と血を受け継いでるな〜〜!楽しそうに海の幸を捌く姿もまごうことなきノワージュ家の祖先!
でも、味は美味しいらしい。使ってる食材がイヴくんと違うのかな🤔と思ってたらその理由も環さんから語られる。なるほど、確かに調味料…特に味噌とか醤油とかアルペシェールにはなさそうだね(´・_・`)
ここからはアンクゥが環さんに自分の辿った人生と彼に会いに来た理由を語るターン。ん??ん??時間軸が分からなくなってきた。リコリスは環さんと会う前にアンクゥが繁殖させた……環さんが提案したのはリコリスを食んで抗体を作るってところだけか…!
前作フルコンしたのが夏だから大分細かい時間軸を忘れている。
アンクゥの話を信じ、この国を、セレスちゃんを、そしてアンクゥ自身を救うと約束の指切りを交わす2人。そして指切りの意味も伝え、いつか大切な者と約束をする時にはこうして誓うといい、と。
これは……アンクゥ√ でセレスちゃんと大切な約束をするフラグですね?
ずっと一緒ですよみたいな幸せを誓う約束だと良いな。
色んな場面で感じるけど強いなあ。環さんもアンクゥも。強い誰かを想う心があるからこそ、アンクゥの話を信じ、環さんの言葉を受け入れ、出会ったばかりとは思えないほど固く心が結ばれる。
「救済の花を、共に咲かせよう」
このひと言に漂流者の物語の本質や根本、2人の想い、アルペシェールの歴史やここから三幕へ繋がる道、全てが詰まってる。
アンクゥがアンクゥになる前の様子を見てると、本当にアンクゥはアドルフなんだなってしみじみ。喋り方も、ふとした時の表情もアドルフで、ここから彼はセレスちゃんを救うため【アンクゥ】としての人生を歩み始めて、本編ではやっとセレスちゃんと邂逅してあの自死を止められたんだと思うと、ほんっっとーーに永く果てしない時をひたすらに彼女を想う気持ちだけで進んで来たんだね…愛しかない( ;∀;)
アンクゥ誕生の準備を進める2人。
死の番人の衣装を作る環さんが、まあたいへんに楽しそう😊
派手になっていく服に「やめてくれ」と呟くも、「はっはっは、却下を却下」とか「聞こえないな!よし、黒のレースも追加しよう!」とずんずんと突き進んでいく。
こんな楽しそうな環さん初めて見たよ!笑
お茶目で可愛らしい漂流者なのであった。
しかし!可愛らしい漂流者さんのターンは続く!ノエルがアドルフの名前を環さんを父と呼ぶより先に呼んだの巻。
「ふん、アドルフなんて嫌いだ…!」と布団にくるまって拗ねちゃう漂流者さん、やっぱりお茶目である。
アドルフはほら、環さんが針仕事してる間もよくあやしてたから、覚えたんだよきっと!元気出してこ!すぐ環さんのことも呼んでくれるよ!我が子だもの!ね!あっ、お饅頭でも食べる?よもぎ饅頭がはるきちの冷蔵庫にあるよ!🍵
アンクゥの洋服が完成し、必要な知識も全て教え、とうとう環さんとノエルの家から旅立つ時が訪れる。
そこで環さんは、末裔であるイヴくんへ渡して欲しいとあるものをアンクゥへ託す。
それは、……あの仮面……!!アンクゥが渡したイヴくんの火傷を覆う仮面は環さんが作ったものだったんだ…!これは完全に予想してなかった。そうか……環さん自身が直接会うことは決してないけれど、それでも先の未来を生き抜いた自分の末裔に贈ったもの……めちゃめちゃ感動してる…
そして環さん、ノエル、アンクゥの別れと約束。叶わない願い。叶わないと思いつつも、奇跡の再会を信じるほんの少しの想い。ずっとずっと変わらない友情。アドルフが時を超えて来たからこそ果たされた出会いと救済への旅路。色んな想いや偶然や必然、そしてそれこそ奇跡が重なって、終遠のヴィルシュという物語は紡がれたんだね。それでもって、ここでこのBGM流すのは泣くに決まってるんよ…🥹
終ヴィルって、原点が一途で真っ直ぐな愛なんだよなあ。
スタッフロールの後。
環さんは本土に移住し、持てる知識と技術を駆使してリコリスの咲くアルペシェールの四方の土地をノワージュ家所有の土地とすることに成功。それからは、ノエルと共にリコリスノワージュの守護に励む。そんな生活を始めて十数年…とうとう環さんがこの世を旅立つ日が訪れてしまう。
親孝行を最期にしたい一心でリコリス畑へ駆け出すノエル。間に合え、間に合え…!
死の番人を呼び続けるノエル。と、そこで幼き日の記憶が甦り、父より先に呼んだ名前を声の限り叫ぶ。アドルフ、と。このタイミングでノエルがアドルフの名前思い出したことに涙腺が緩むはるきち。忘れたと思っていても、大切なことは記憶の奥底でちゃんと覚えてる。そして、うっすらと意識のある環さんの耳にもう2度と会えないと思っていた大切な友の声が。泣きそうな顔で手を握るアンクゥ。もう感動の涙で画面が滲むはるきち。いちいちはるきちの涙腺事情を書くなって?細かいことは気にしなさんな、一緒に友情の物語を見届けようぜ(肩に手をぽん)
再会は叶わないというか、お互いのために叶えるべきではないと思いつつも、心のどこかではまた会いたいと願っていた2人。
そんな2人の再会を叶えたのはノエルくん。物語の中でもちらりとあったように、子どもは無垢で、大人の事情とか関係なしに心のままに行動する。その行動が奇跡の再会を叶えた。
最期に言葉を交わす環さんとアンクゥ。
煙管もアンクゥに譲り、彼もその友情を受け取る。
「…………ああ、本当に
ここまで生きてきて、本当によかった──」
この環さんの言葉、アンクゥがセレスちゃんが「生まれてきて良かった」と笑顔で言える日が来たらこのアルペシェールという国を許すことが出来るかもしれないって思っていた場面を彷彿とさせた。確かにセレスちゃんを死なせた国だったかもしれない。でも、そんな国の中で、生きてきて良かったと心から感じている友と出会えたことはアンクゥにとってきっと大切過ぎるほど大切なものになったんじゃないかな。
環さん…漂流者さんの最期の言葉。
「どうか……君も
手放したくないと願う、愛しき日々を……その手に掴め
…………よき、旅を」
環さん( ;ω; ) ( ;ω; )
アンクゥ、これはもうアンクゥ√における我々のスローガンにしよう。
愛しき日々を〜!!その手に掴め〜!!
そして開放された短編集。
冒頭辺りに記した文章を覚えておりますでしょうか。
そうです、ナタリアユーグ夫妻が授かった子どものこと、覚えておこうと記した文章です。
大分重要というか、まさかまさかのあの夫婦の娘さんがリルちゃんだったとは…!ナタリアさんも環さんのことは本心では友人だと思い続けてくれていたことも分かって、環さんがアルペシェールで経た友との出会いは偶然という名の必然ばかりだったんだなあ…運命ってこういう人生を言うのかな…
これまで読んできて、セレスちゃんが本編でリコリスの花を私は好きだということや親近感があると話してくれたのって、この花は国を、何よりセレスちゃんを救うためにアンクゥやノワージュ家がわざと災いの花だという口伝を残しつつ守って来た、セレスちゃんへの想いと愛情で育てられて来た花だからその気持ちがリコリスを通して少しでも伝わった様にも思えて素敵だなと改めて思った。
漂流者の物語。
タイトル通り、漂流者の環さんがアルペシェールへ漂着してから、作中彼が言っていた様に漂流者らしく数々の出会いと別れを繰り返しながら、新たな家族とも出会い、魂の友と友情と救済の約束を交わし生き抜いた、その生涯が色鮮やかに描かれていました。
もう、予想以上に感動した。
アンクゥが環さんという大切な友人に時を超えた先で出会えて良かった。きっとこの出会いは彼にとって本当に心の支えになってたはず。
そして最期に再会できて良かった。これはノエルくんに感謝。イヴくんまで血が繋がってるということはこの後ノエルくんも愛する人が現れて、家族を持ったんだよね。きっとその様子も、その先のノワージュ家もアンクゥはリコリス畑から見守ってたんだろうな。
それから、これきっとアンクゥ√で回収される伏線でしょ〜?!っていう要素も多く見られたので、その辺りがどうアンクゥの物語にどんな風に絡めてあるのかも今後の注目ポイントかな。
ところで、短編集でセレスちゃんに似合う服談義してた話。
華美なドレスを嬉々として語ってたアンクゥなんだけど、漂流者の物語を読んだ今思い返すと、楽しそうにアンクゥの衣装を作る環さんと一致するんだが、あの感性は環さん譲りだったんかな〜!垣間見えた友情ににっこりですわ☺️
このままアンクゥ√ へ!と言いたいところですが、先にアドルフ以外のemotionから読み進めたいと思ってます。
なぜアドルフ以外かって?最推しの救済後日談をフィナーレに持って来たいからです!
ではでは、次はマティスくんのemotionでお会いしましょう👋