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私のこと

私の事を少し。

私は夫と恋愛結婚をした。
20数年前の話。初めは好きで好きで堪らなくて、4年ほどお付き合いして結婚した。しかし、現実は容赦なく、いろいろなしがらみがまとわりつく。
それでも転勤族の夫と共に、赴任先ではそれなりに楽しく過ごせていた。
でも。
私の頭の中には常に、いい嫁、良い母でいなければならないというガチガチの固定観念と、本当は違うのにという(ひょっとしたら、それすらも思わなかったかもしれない。むしろ一人で頑張る自分偉いぐらいだったのかも)、心の葛藤の間で揺れ動き続けた20年。子育てだって、そんな考えで上手くいくはずもなく、途中夫は単身赴任になり、ようやく、そこでまわりにほんの少し助けを求められるくらいになれた。それでもまだ意地はある。
義父も義母も初めからスタンスは変わっていなかったと思う。意固地になりすぎていた自分は、まわりが見えていなかったのだ。

そして夫の事も見えていなかった。

ある日、物凄い大喧嘩をする。日頃は穏やかで、ほとんど怒らない夫に、暴力を振るわれた。(夫の名誉の為にいいますが、怪我する程ではありません)今思えば、完全に自分が悪いのに…

しばらくして夫が自宅に戻ることになった。引っ越しの準備や片付けなど、仕事を休めない私にかわり、義父母がやってくれた。

そこで私は初めて素直に心から「ありがとう」と言えた。親だから当たり前と思ったかもしれないが、妻の私ができない代わりに、やってくれたことに本当に心から感謝できた。

それから私は、素直に「お願いします」「ありがとう」を言うようにした。


私は、夫から、多分、愛されていると思う。私より、彼は私を愛してくれている。
夫は、神のような人だと近所の人は言うが、本当に私もそう思う。最近特にそう思う。自分にはもったいないくらい。
だから、今また単身赴任をしている夫に、会いたくてたまらなくなるのだ。一週間に一度帰る夫にまた、恋をしている。

若いときの彼は春馬さんに似ている。息子にも先日改めて言われた。
今は全然違うのに、昔の写真は似ている。
だから。だから、好きになったのだ。春馬さんを。

でも、違う。人間として卓越した春馬さんは、誰にも超えられない。春馬さんが、大好き。逢いたい。

もはや、夫か春馬さんか、どちらに会いたいのかわからなくなり、一週間たち、夫が帰ってきた。

違った。

私はやっぱり、春馬さんに逢いたい…
私が逢いたいのは春馬さんだった…

なんてことだ。

でも、夫の事はもちろん好きだ。
私より先にはいかないでね。





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