すゞめ/昭咊異聞/その昔、私たちはお友達でした
先生が教室の引き戸をガラリと開けられ、わたくしたちはお話をやめました。先生は、分厚いメガネ越しにわたくしたちの方を見渡され、ふむ、と一つ頷かれました。
「全員揃っていますね。今日は点呼の代わりに、この間提出してもらった、綴り方の返却から始めます。」
そう言うと先生は、あいうえお順に児童の名を呼ばれ、赤丸のついた綴り方を返され始めました。三番目に呼ばれたわたくしは、先生の前に出ましたが、先生はちょっと微笑まれてわたくしの肩を掴むと、児童の方へ向けさせました。
「今度の