黒単ロブルッチ解説(CS本戦使用)+大型大会におけるデッキ選択の方針

挨拶と自己紹介

はじめまして、HARUです。

まず、あまり私を知らない方のために過去の実績や記事を紹介させて頂きます。

・デュエルマスターズ日本一決定戦2018 優勝
・1弾環境で作成した緑単キッドの使用者(自身含む)がチャンピオンシップ~スタンダードバトルまで上位入賞多数(記事は
こちら)
・2弾環境の青単イワンコフ解説投稿(記事は
こちら)
・CS東京二次予選ベスト8、CS本戦出場(使用した錦えもんの解説記事は
こちら)
・3弾事前評価記事投稿(記事は
こちら)

本記事は大型大会におけるデッキ選択の方針CS本戦で使用した黒単ロブルッチの解説、最後におまけとして3弾環境レシピ集とそれぞれの強み弱みという三部構成としました。
強大な敵に収録されるカードが一部公開されるたびに手持ちのリストに反映させ、リストが全て公開されてからは毎日調整し続けて臨んだ大会ですので、アウトプットしたい内容が大量にあります。
その為、今回の記事はいつもよりボリューム多めです。
私自身、他カードゲームでも大型大会出場経験が多く、本記事の内容を参考にしていただければ幸いです。

本記事の構成

1.大型大会におけるデッキ選択の方針(一部無料)
ここでは大型大会におけるデッキ選択の方針について、3弾「強大な敵」を具体例とした話を交えながら解説していきます。
2.黒単ロブルッチ解説
実際にCS本戦で使用した黒単ロブルッチについて解説をしています。
3.3弾環境レシピ集と強み弱み(おまけ)
もちろん黒単ロブルッチ以外のデッキも調整していました。
ここでは3弾環境での主なデッキについて「レシピ、強み弱み、雑感」を記載しています。

更新履歴

2023/2/20 投稿。
2023/2/23 以下を追加。「不採用カード解説」
次回更新は各対面へのプレイ方針を一部追加予定。
あとはDMでの要望に応えて柔軟に対応します。

大型大会におけるデッキ選択の方針

まずはじめに、大型大会におけるデッキ選択の方針についてです。
様々なカードゲームの大型大会に出場してきましたが、大体いつもこのような流れで行っております。
①(大会の少し前に新弾が発売される場合)カードリストの把握と評価
②新デッキの作成と対戦の積み重ね
③相性表の作成とデッキの強さ可視化
④使用候補を絞って細部な調整
⑤使用デッキの決定
以下、それぞれの工程でどのようなことを行っているか、3弾環境では具体的に何をしたかという点に関して解説します。
最後に番外編として調整の注意点について2点記載しております。

①カードリストの把握と評価

今回は2月3日に強大な敵の全カードリストが公開されました。
それまでにも数枚ずつカードの公開はされていたため、逐一確認はしておりましたが、ちゃんとした評価をしたのは2/3の夜でした。

カードリスト公開後に執筆した新弾評価の記事はこちら(全文無料です)

まず、カードリストの把握をする理由ですが
1.大会で初見のカードに出会わないため
2.デッキ構築のために脳内カードプールを広げておく
の2点です。
前者に関してはワンピースカードゲームはカウンターイベントとトリガーという要素があり、この辺りのケアができるかどうかで勝率が少し変わります。
また、相手の次の動きを予想して自身のプレイを選択するのは基本中の基本です。
対戦相手にカードをプレイされて、そんなカード初めて見た!というのはあまりにも勿体ないです。
たまに、採用率の低いカードを使われて「そんなの知らなかった」と言っている人がいますが、そのカードの存在を知っていればケアできる可能性はあったのではないかと思います。
自分自身、大会で「三刀流 鬼斬り」というカードを知らずに、リーダーがレストされて苦い思いをした経験があります。
もし、3弾のカードを全て把握していない人がいれば、この続きを読む前にカードリストを見返しましょう!

FILMキッドから飛んできました

後者の「デッキ構築のために脳内カードプールを広げておく」についてですが、デッキを構築・調整する際に、知らないカードは採用候補にすら挙がりません。
脳内のカードプールを広げておくことでデッキ構築の幅も広がるので、新弾のカードは必ず全て把握しておきましょう。

次にカードの評価をする理由ですが
1.新デッキ作成の事前準備
2.弱すぎるカードを忘れる
の2点です。
前者に関しては、新デッキを0から作成するときは大体強いカードを寄せ集めたものからスタートします。その事前準備として強いカードを把握する必要があるため、新カードには必ず評価を付けてから調整に移るようにしています。
後者に関しては先ほど記載した新弾のカードは全て把握するという内容に反していますが、人間が覚えられる内容には限りがあり、不要な情報をシャットアウトするために「とんでもなく弱いカード」は忘れます。
3弾での具体例を挙げるなら特にシナジーが無い特徴のバニラカードや、キングバームやコーギーなどですね。

ライフを失うのはあまりにも代償がでかすぎる
そこまでしてトラッシュを増やす意味は無いしパワー0って。。。

逆に事前評価で強いと感じたカードをいくつか挙げておきます。
強いカードという括りだと沢山あるので、環境を変えるレベルのカードだと思ったものを抜粋します。

まずはバギーです。
今まで赤にイベントをサーチできるカードが無かったのですが、1コスト3000ラインにおまけ効果までついてイベントサーチとやりたい放題のカードが来ました。
赤のイベントカードには受けの「ラディカルビ〜〜〜ム!!!!」、除去の「ゴムゴムのJET銃」、ブロッカー無視の「悪魔風脚」など多種多様なカードが用意されており、確定サーチではないにしろ、それらにアクセスできる確率が上がるのは大きいです。
これらのイベントはナミでもサーチができますが、「円卓」などの特徴が麦わらの一味ではないイベントもサーチできるのが優秀です。
4弾以降の環境でも見かけることは多くなりそうな予感がしています。

次にマルコです。
レスト状態のパワー6000のキャラに同値(6000)攻撃を繰り返して除去しようとすると相手リーダーが6000になっているようなものなので一般的には良くない動きとされています。
なので基本的にはパワー8000以上での攻撃や除去イベントor効果で対処をすることが多いのですがマルコにはそれが効きません。
本来守るのにカードを2枚使わせるパワー8000以上の攻撃もイベント1枚で受けられますし、除去イベントや効果で対処してもイベント1枚で復活します。
赤が得意とするパワーマイナスからの攻撃も、一度トラッシュを経由して復活してパワーが6000に戻るので殆ど意味がないです。
ここまで場持ちの良く、相手へプレッシャーを与えられるカードは2弾までで現れていなかったこと、イベントを沢山積むことを想定したリーダーエースやバギーの存在も相まって、環境を大きく動かすカードであることは容易に想像ができました。

最後にフクロウです。
ここまでは赤のカード2枚の紹介でしたが、今回は赤に強いカードです。
2弾環境までのブロッカーは赤に除去されたり緑にレストされたりでそこまで信用できないカード(それでも強かった)でしたが、このカードは赤や黒などの除去をKOに頼っているデッキには無類の強さを誇ります。
フクロウをプレイすれば実質ライフが増えていると言っても過言ではなく、赤が強いとされる3弾環境ではメタカードとして黒には100%採用されるレベルのカードだと思っています。
また、CP9にブルーノやカクなどの強力なカードが多数収録されており、CP9自体かなり力を入れてデザインされていると感じたのも評価を上げた要因です。

カードリストの把握と評価についてはこれぐらいとして、次はいよいよ新デッキの作成です。

②新デッキの作成と対戦の積み重ね

カードリストの把握が終われば、次はデッキ作成と対戦の積み重ねです。
幸いにもワンピースカードゲームは「リーダー」というデッキ構築をする上での大まかな方針があるので、新しいデッキは比較的作りやすいと考えています。
他のカードゲームだとデッキを0から作るのは中々時間がかかってしまいます。

デッキ作成と対戦の積み重ねを行う理由としては
1.カードの事前評価と実際のズレを実感する。
2.リーダーの特徴、強み弱みの大雑把な理解

の2つです。
前者に関して、「見た時は弱いと思ったけど使ってみたら意外と強かった」「見た時強いと思ったけど使ってみると全然そんなことなかった」という経験をカードゲーマーなら一度はしたことがあると思います。
実際プレイをする前の評価とプレイをした後の評価のズレを実感し、評価の修正を行うために対戦の積み重ねは非常に重要と考えています。
実際に事前評価とのズレが大きかったカードを紹介します。

まず1枚目はシャーロット・リンリンです。このカードは「見た時は弱いと思ったけど使ってみたら意外と強かった」です。
2弾環境ではライフの数が増減するカードは存在しなかったので、ライフが増える強さを脳内では理解できていませんでした。
10コストも払って相手の盤面に何も影響を与えられないのが弱く見えていましたが、相手と2枚ライフ差がつくのは何よりもゲームの勝敗に影響を与えました。大げさな表現ですが出せれば勝ちなカードといっても過言ではありません。
また、パワー12000というのも強く、「お玉+炎帝」や「十字架+ゴムゴムのJET銃」といった、主にパワー10000のクザンやエドワード・ニューゲートを破壊する組み合わせの対象にならないのも大きかったです。

次にマーシャル・D・ティーチの紹介です。このカードは先ほどのシャーロット・リンリンとは逆で「見た時強いと思ったけど使ってみると全然そんなことなかった」です。
低パワーのキャラにドンを付けて攻撃すると大体殴り返されてあっさりKOされるので、それらを1枚の手札に変換できるのは弱いわけがない。
特徴も白ひげ海賊団でサイズも4コスト6000あるのでめちゃくちゃ強いカードだと思っていました。
実際使ってみると、元々サイズの低いキャラは簡単にKOされやすく、ティーチは出した次のターンからしか仕事ができないというのが相手にケアされやすかったです。
3弾環境は2弾環境よりも相手の攻撃時のパワーが高めな傾向があるので、カウンター無しというのも痛いポイントでした。

後者の「2.リーダーの特徴、強み弱みの大雑把な理解」に関してですが、ワンピースカードゲームはリーダーによってゲームの展開や勝ち筋が大きく異なるため、リーダーの特徴を把握し、強みと弱みを大雑把で良いので理解する必要があります。やはり脳内で考え続けるよりも実際触った方が早いです。
例えば、「エースに対しては5000での攻撃はイベントを1枚切るだけで守れるから、1000差2000差で攻撃するメリットが大きい」、「ナミは7枚落下を2回決めれば大体勝てる」、「ルッチのリーダー効果を使用して最後詰め切る場面がかなり多く、後半に低パワーのキャラはレストさせてはいけない」この辺りは実際触って気づかされた内容です。

③相性表の作成とデッキの強さ可視化

大体のデッキ作成が終われば、次は相性表の作成です。
これに関してはシンプルで、デッキ(リーダー)同士の相性を表にします。

あくまで相性表の紹介で、内容は適当ですのであしからず。
これとは別に、各マッチアップがどういう試合になるから有利/不利なのかというメモも作れるとより良いです。

相性表がどのようなものか認識していただければ大丈夫です。
実際に相性表を作るメリットとしては、この対面は相性どうだったかな?といちいち思い出す時間を削減することと、デッキの強さを表すスコア(以下、
デッキスコアとします)
を作成する為です。

デッキスコアとは何?という話ですが、デッキの強さっていまいち言語化しにくいです。特に複数のデッキを比較する際にどっちの方が強いかというのは中々説明ができません。
肝心のデッキスコアの付け方は以降で説明いたします。

以下から有料となります。
気になった方はぜひ購入よろしくお願いいたします。

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