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同人装幀覚え書き 『星の数ほど』

同人誌の装幀に凝るのが好きでずっとtumblerに記録してたのですが、ちょっと使いづらくなってきたのでせっかくならnoteに書いてみよう第1弾です。
本のネタバレを含みます。


仕様詳細

表 / 裏
A6サイズの文庫と、8cm×8cmの冊子をパッケージに入れたもののセット

文庫

  • 冊子サイズ:A6無線綴じ

  • タイトル:星の数ほど

  • 表紙:クラフトキャスト 130kg - ピアノブラック

  • 表紙印刷:フルカラーをあえて黒だけで印刷
         白版つきのセットだったので、タイトル部分に活用

  • 本文用紙:タブロ - 65.5kg

  • 遊び紙(巻頭):クラシコトレーシング - FS

  • 遊び紙(巻末):クラシコトレーシング - FS

  • ページ数:120ページ

  • 挟み込み:雑誌記事を模した紙を挟んでいました(後述)

冊子&パッケージ

  • タイトル:Still Remember Chocolate

  • 表紙:印刷なしのNTほそおりGA170k 極茶

  • 本文用紙:書籍用紙90k

  • ページ数:40ページ

  • パッケージ:蒸着三方袋 グレー 110×110

  • ラベル:エーワン ラベルシール 光沢紙(インクジェット用)

  • その他:チョコレートを模した本なので、冊子にチョコレートの
        香水を振り掛けてから密封しました

挟み込み(雑誌記事切り抜き風)
お話の中で、雑誌記事が原因で喧嘩をする話があるので、実際にその雑誌記事を印刷して折って挟み込みました。

雑誌記事の1ページを切り取ったイメージ
  • 用紙:コート90kg

  • 仕様:B5 両面印刷 フルカラー


コンセプト

文庫

表2

「星の数ほど」の文言が何回か本文中に出てくるのと、作中で星図に触れたりもしたので、著作権切れの古星座図をメインに持ってきました。白印刷がセットに入っていたのですが、今回は白抑えには使わずに、タイトルのところだけで使用しています。
今回、表紙にクラフトキャストのピアノブラックを使ったので、表2,3が艶のある黒色をしています。表のクラフトとはかなり質感が違って、開くとうわっと黒い夜空が目の前に広がるみたいで気に入っています。
お話は四日間の昼夜を書いたものですが、夜に重きを置きたかったので本文用紙はタブロにして全体的に灰色にしました。ラフ紙を本文用紙に使うと本の厚さのわりに軽い本になるのが好きです。

冊子&パッケージ

開けるとこんな感じ

甘い話だけを入れたおまけの冊子を作ろうと考えた時に、思い浮かんだのがチョコレートを模した冊子を作ることでした。
正方形のチョコタブレットのイメージだったので、表紙が茶色い紙の8cm×8cmの冊子を作って、それにチョコレートの香水をたっぷり振り掛けて、パッケージに詰めて熱圧着しました。なので開けるとふわっとチョコレートの香りがします。

制作詳細

文庫
文庫については今回は特に手を加えていません。
印刷所にお願いして家に届いたものに、雑誌記事を挟み込んだぐらいです。表紙に紙やすりをかけようか最後まで迷いましたが、印刷だけでもアンティークっぽい雰囲気が出たのでそのままです。

冊子
8cm×8cmの冊子を印刷所に印刷してもらったあとは全部手作業です。ものすごく大変でしたがその甲斐あって作りたいものが作れたので満足!です!(こういうことがしたいがために業務用圧着機を買いました!)
以下、工程の一部をご紹介。

切って
切って
貼って
(冊子を入れてから)圧着
このふたつを、蝋引きの麻紐でまとめで出来上がり


SpecialThanks
雑誌風切り抜きのイラスト:にのみやさん
チョコレートのロゴ:kissaさん


tumblerに過去の装幀がまとまっているので、ご興味がある方はどうぞ!

せっかくなのでBOOTHも置いておきます

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