遠くの家族と繋がる、ITのありがたみ
アイルランドから、はじめまして/こんにちは。
コロナで物理的な移動がままならない世界になって、はや一年。移動制限を当たり前のように感じるようになった一年でもあります。
過去に働いていた通信機器メーカーや通信会社では、業務やサービスの品質向上に頭を悩ましていた私も、ここまで通信産業に依存する未来が来るとは想像したこともありませんでした。
当時は、
安くて使いやすい通信サービスが増えればいいな、
増やすにはどうすればいいのかな、
利用者が欲するサービスって何だろう、
と業務の延長線上で考えてはいたものの、ここまでドラスティックな変化が世界に起きるとは、微塵も考えつかず。
逆に言えば、このような外圧(人の往来が極端に制限される)があれば、人間の方が適合するのだ、ということが分かった一年でもあります。
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我が家では、日本への一時帰国も、祖父祖母に直接会うことも、しばらく無理だ、と早々に見切りをつけ、この一年はオンラインで実家や親戚との繋がりを深めてきました。
やっているのは二種類です。
1. 写真動画の共有
「まごチャンネル」を利用して、親戚間で写真動画を日常的に共有しています。
まごチャンネルとは、高齢者の自宅行動見守りサービスの一種です。私達の実家の場合、ありがたいことに義理の妹夫婦が、たまたまコロナ蔓延の2ヶ月前に、購入設定してくれていました。
まごチャンネルの良いところは、本機をテレビ画面に繋ぐと、ジジババがテレビの大画面で孫の写真動画を見れます。高齢者が最も慣れ親しんでいるツールであるテレビを利用できることが、彼らの心理的負担を押し下げていると思います。
私達側(つまり、娘や息子側)からは、スマホから写真動画を手軽にUPできます。アプリ経由なので、隙間時間に思い立った時に一瞬で出来るのが良い。容量が大きすぎる動画はUPできませんが、ショートフィルムで十分。
実家のジジババだけでなく、親戚一同でコンテンツを閲覧できます。もちろん、管理側から招待し、各自のスマホで設定した人だけに限りますので、セキュリティもしっかりしています。
これを使うことで、毎年、親戚で集まりワイワイ楽しんでいた時間の代わりに、それぞれの自宅の居間でそれぞれの日々の生活の写真を追う習慣になりました。
親戚の高齢者同士は、車で数十分の距離に住んでいますので、たまに行き来をしているようです。でも、娘・息子世代は、他県や海外にいるため、今までのように物理的に会うことが難しい。
そんな状況の私達に、このサービスは正にぴったりの機能を提供してくれました。
2. 平日毎日オンライン通話
コロナ以前は、ヨーロッパと日本の時差を言い訳に、あまり積極的にオンラインをやっていませんでした。
しかし、学校閉鎖が半年という事態が発生。
そこで、ジジババの協力のもと、隔日で双方の実家と毎日Skypeすることにしました。
時間は日本の17:30から、1時間か1時間半程度と決めています。この時間は、ヨーロッパでは朝時間です。今までは、学校の登校時間に重なったりして実行できなかった通話を、実施できるようになったことはとても嬉しいです。
毎日話す時間をルーチンワークにしておくと、気分的に楽です。時間調整って何ともない作業の様ですが、実は地味に気力と体力を削ぎますよね。これをやらないで済むだけで、私の作業負担が減りました。
慣れてくれば、通信をつなぐ手間も感じず、話す内容も特に拘らなくなります。
私達家族の場合、お互い好きなことをしながら、画面越しに声かけしあい、毎日の約一時間を共有するという感じに落ち着いています。
我が家は一人っ子のため、兄弟間で遊ぶという選択肢がなく、学校閉鎖中は子供の遊び相手は親のみ(他家の人と会うことも禁止されています)。そこにジジババが混じってくれるのは、本当に親としても助かっています。
私が、おばあちゃんっ子だったこともあり、自分の子にもジジババと良い関係を築いて欲しいと思っていましたが、遠くに住んでいるにもかかわらず、図らずもそれが実現され、重ねて嬉しいです。
3. まとめ
以上を振り返り、何を良い点と感じているのか、書き出してみます。
一言でいうと、双方向と片方向のサービスを組み合わせるのがいい、と思います。それぞれの好みに応じて、両者の利用比率を調整していけるからです。
双方向=SkypeやZoom等のオンライン通話
片方向=写真共有などの、送りっぱなしで放置できるサービス
■利用時のコツ
ー オンライン通話はルーチン化し、定時開催・時間縛りする
ー いとこや叔父叔母とも共有
ー 写真共有は思い立った時に隙間時間でやる。送りっぱなしで放置。
■始める際の敷居の低さ
ー 実家のジジババが、ipadやiphoneをすでに使っていた
ー まごチャンネルを導入済みだった
ー 子供が取り回しできるサイズのiPadがあった
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私達のように遠くに住んでいる場合だけでなく、近くに住んでいても、病気や疾患のために実際に会うことが難しいケースもあるでしょう。
ご本人だけではなく、その周りのご家族やサポートされる方自身も、感染対策に気を揉みつつ日々を過ごされている事と思います。
そのような状況の方々にとっても、ITサービスは様々な助けになっていくと思います。
今後、さらにITサービスの裾野が広がり、実生活に置き換わるような仕組みが増えてくるといいですね。
とはいえ、物理的に会えることが一番なのはもちろんです。
以前と全く同じようにはいかないかもしれないけれど、気軽に人に会えるようになることを切に願っています。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。