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小さな命

今日、カンボジア、プノンペンのとある市場を歩いていたら、なにかネズミのようなものが地面に落ちていた。

実はこんなことは過去にもあって、日中普通に街を歩いていたら、地面の上にネズミの赤ちゃんらしきものが何匹もウゴウゴしていたのを発見してしまった時は、何事かと思った。
(それらのウゴウゴと動いていた小さな生き物たちは1時間後にはいなくなっていて、今でも本当にどういう経緯で道端にネズミの赤ちゃんが散らばっていたのか不明という)

でも今回はその時よりもだいぶサイズが大きかったから、ちょっと見てはいけないものを見てしまったような気分で(死体?それともぬいぐるみ?え、リス??)と私の思考はほんの一瞬けっこう忙しかった。
そういう類のものに好奇心旺盛になってしまう私は、それでもその物体が何なのか気になって、もう少しじっと見ていたら、なんとそれがまだ生後間もない子ネコだとわかった。
しかもそのもう少し先にもう2匹。よく見ると動いている。

得体の知れない物体が子ネコだとわかった瞬間、近くに行って見ないわけにはいかなかった。
こんなに小さな子ネコ、こんなに間近に見るのは初めて。1匹は地面に放置され、もう2匹はビニールの袋の上だった。
きっと親切な人がビニールを敷いてあげたんだろうな。地面に転がってた1匹は、きっと動いているうちにはみ出してしまったんだろうな、ということが予想できた。
私は早速ケータイを取り出して、夢中になって写真や動画を撮りまくる。
近くのお店の人と目があったら、どちらからともなくにっこり笑顔。ああ、言葉は通じないけど、確かにそこには通じるものがあったと感じる。

かわいい子ネコと、かわいいかわいいと心の中で連呼しながら写真を撮る私を静かに見守るお店の人と。

何だかすごく落ち着いた、そして癒される時間だった。
それは子ネコだけでなく、それを優しく見守るおばさん(お店の人)がいたからだと思う。
カンボジアの人も子ネコをかわいいと思う気持ちは変わらないのだろうな。(もちろん人によるけど)
この時は母ネコは近くにいなかったけど、今日の気温は35度近いカンボジア。母親のぬくもりなしでも体温低下の心配はなさそう。

ビニール袋の上にいた2匹。まだ目が開いたばかりという感じ。
私の気配で起こしてしまったのか、途中目を覚まし、本当に小さなかわいい声でミャーミャー鳴き出した。
よしよししたくなる気持ちを抑えて、そっと見守る。

ほんの5分くらいの時間だったけど、満足行くまで写真と動画を撮った私は、その場を後にした。
もちろん最後にもう一度お店のおばさんに笑いかけて。最後まで笑顔で見守ってくれていたおばさん。優しい…。

カンボジアには、家ネコなのか野良ネコなのかわからないネコがたくさんいる。今回のネコたちも似たような境遇なのだと思う。狂犬病もある国だから、むやみに触ることもできない。
それに、そういったネコたちは日本では望ましくないとされている。この話を突っ込んで書くと終わらなくなってしまうから、ここでは書かないけど。
それでも、この子ネコたちには、お店のおばさんみたいに優しい人たちに可愛がられながら成長してくれたらなぁと思う。

以上、小さな命に幸せを分けてもらったお話でした。

2021.3.23

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