駅ピアノ
先日姉が上京してきた。
夏はあまりに暑く、大袈裟ではなく命に関わりそうなので、たいてい外には遊びに行かずに屋内でチョロチョロ動いては、美味しいものを食べて過ごす。
今回の目玉は、私の「駅ピアノ」デビュー。
そこの駅ピアノは、以前姉に弾いてもらっていた。
その駅ピアノのいいところは、聴衆がほぼゼロなこと。
電車とアナウンスの声でピアノの音が掻き消されそうなくらいで、今の私にはもってこい。臆することなく弾くことができる。
なんとか暗譜してきた「エリーゼのために」を弾いてみた。
まず驚いたのは、そのアップライトの音量と響き。
家では電子ピアノなので、こんなに違うものなのか、、と。
だから??、今一つ調子が出なかった(笑)
それでも気持ちよく弾けて、それはそれは楽しかった。開放された空間で弾くことの気持ちよさよ!
音大ピアノ科を出た姉にアドバイスをもらったり、もちろん姉にも、私の好きなベートーヴェンのテンペストなどを弾いてもらった。
そして二人で思いついたのは、次回はピアノのレッスン室をレンタルしよう、ということ。楽しすぎる企画だ。
幸い、良いところ(30分990円でグランドピアノが弾ける)を見つけた。
アップライトどころかグランドピアノを触れるなんて、うれしい。
それまでに、ベートーヴェンの「月光」を仕上げようと思っている(只今、特訓中)。さらにさらに、銀座の山野楽器で連弾の楽譜を調達し、姉は「これなら初見で弾けるから」と私が持ち帰ってきた。
こんなふうに姉とピアノで楽しめる日が来るとは、、。
しかし、「エリーゼのために」も「月光」も最後までそれなりに弾けるようにはなったけれど、こういうふうに弾きたいと頭で思うようにはなかなか弾けない。
音を出して、「ちがう違う、そうじゃなくてさー」と思いながらも、指から出る音が思うようにならない。考えれば、40年以上のブランクを経て再開してからまだ2ヶ月ちょっとなので、当たり前と言えば当たり前の話なのだが。
「あそこはこう弾くべきか?」「いや、こうかな、、」などとピアノから離れてもつい考えている。オットは、「どう弾くべき」より「どう弾きたいか」だよと。
さまざまなYouTubeを聴いたり、「弾き方」を教えるサイトなども見たりして、ただいま特訓中。
レッスンにいやいや通っていたあの頃からずっと続けていたとしても、バッハを弾きたくなったり、ベートーヴェンの月光やショパンのノクターン第20番「遺作」(次に弾きたい曲)を弾けるようにはならなかったと思うし、弾きたいとも思わなかっただろう。
ピアノを楽しむ、という点から言えば、人生遠回りも悪くない。
ということで、仕事がない日はもっぱらピアノが多くの時間を占めているが、読書も忘れてはいませんよ。
今はこんなラインナップ。
『新!店長がバカすぎて』は、前作『店長がバカすぎて』が面白くてまた手に取りました。『じゃむパンの日』は赤染晶子さんのエッセイ集。岸本佐知子さんとの「交換日記」も楽しみ。『うるさいこの音の全部』は、なんだか惹かれて手に取りました。こういう勘で買った本が意外と面白いケースは多いのです。
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