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【詩】壁の向こう

壁をトントンとして
隣の部屋の声が聞こえないかと
コップを壁につけ
耳を当てる


誰もいない
真空状態
耳を当てても
苦しくなる


きっといつか何かが聞こえ
返事が来る


壁の向こうに聞こえる
雫が一定時間
ぽたりぽたりと落ちる音


誰かいるなら
そっと安心を届けたい

こちらからは
何も言えない
ぎこちない関係

すーはーと呼吸をする音
眠りについているのなら
心配はいらない


声にださない音に心配して
壁に手をあて
想いを伝える


愛がないって
聞こえてきそうで
そんなことないと
伝えたい


耐えきれず
壁を叩き割って
座り込んでいる
あなたを見る

ゆらゆら揺れる
あなたは
過去のわたし



過去に濡れた自分を抱きしめ
わたしはあなたを
忘れなくても
痛い想いは明日に流すから


痛んだ魂は雨と一緒に流れてく



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久住ハル
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