【詩】パウダースノー

タイルが艶々として

水滴がついて

濡れている

小さな噴水は

子供たちの格好の遊び場

大人たちは

日陰で腕を組んで

子供たちの様子を見る

子供たちに水をかけて

水かけっこするお父さん

夏の陽射しの強い日

蒸発する水の匂い

太陽にもう少し

優しい陽射しをと

願ってみても

太陽は頑として

その陽射しを

弱める気はない

いくつもある

風車がクルクルと

勢いよく回っている

太陽の代わりに

風が吹いて

涼しくなる

こんな時は

風は優しい

雪の中

傘をさして長靴を履いて

白くなった世界を歩く

吐いた息はガラスの粉

キラキラと宙を舞う

手袋をして

ジャンパーを着る

転ばぬ様に

足元はゆっくりとゆっくりと

動物たちは冬眠を

白い森の中は静か

自然に囲まれた

家の周り

しんしんと降る雪

子供たちは夏でも冬でも

変わらない

そりを持って

小さな山から

何度も何度も滑って

こちらに向かってくる

お花が咲いていないね

雪の積もった花壇に

話しかける子供たち

お花さんは戻ってくるよ

春の花壇を思い浮かべながら

パウダースノーに指で触れる