【詩】ラビリンス

迷い込んだ

不安定な天気の

からからの乾燥と

冷たい湿気が降ってくる

そこはラビリンス

心躍らせ来たのは

夜景だけがやけに煌びやか

おしゃれな街は

紛れ込むには丁度いい

時間はどんな時も進む

望んだ形じゃなくても

歪みがあっても

濁った色でも

重い足取り

鎧だけが増えていく

呼吸みたいに

守るものが増える

まやかしの自分が

大きくなり

あったはずの弱い自分は

オルゴールのついた

箱に入れて鍵もかける

弱い自分には

手を振りサヨナラをして

力の入った拳を作っては

手のひらに血が流れる

演じている

カチッとはまったぜんまい

街をきれいに泳ぐ

潮流に巻き込まれたら

息も出来ず

体の置き場がない

演じている

無茶苦茶な難題を

押し付けられては

緩い笑顔で

気もそぞろ

演じている

強気なふりなら

吹雪と一緒に

どこか遠くに

いってしまえ