ジュビロ磐田ホーム開幕戦雑感
いよいよ2025シーズンが開幕しました。
我がジュビロ磐田はホームでvs水戸ホーリーホック。
結果は3-2で辛勝でしたね。振り返ってみたいと思います。
果敢に挑んだ前半20分
明らかに昨シーズンと異なっていた点は大きく2点。
① あからさまなビルドアップ意識
② 最終ラインのこれでもかというハイラインぶり
まずビルドアップに関しては観戦した人全員が驚いたと思います。だって川島が全然前に蹴らないんだもの笑
去年はといえば川島が持つたびにロングボールを蹴ってセカンドボールが回収できるかどうかの博打戦術ばかりでした。今年はそれが大幅に減少して両CBに預けるシーンが増えました。
それによって前半2分に早くもグラッサがロストしますがそれはもう仕方ないと割り切りましょう。今シーズンはきっとこういうミスからの失点も増えますがそれは成長に伴う痛みのはず。
②最終ラインのハイライン
開始から2分までのグラッサの位置がどうしたの?ってレベルで高い!江崎がスイーパー気味なんですかね。にしてもグラッサがずっと高めなんですよ。もともと定位置にドーンと構えるタイプではなかったと思いますが、広い守備範囲をセンスよくカバーできるのはグラッサの強みですし、守備面では良い意味で目を引きます。去年もこれができてたら…と思いますが去年はコンビを組む相方がことごとく下がり気味だったのでグラッサ1人ではどうしようもなかったように思います。
象徴的なのが11分20秒過ぎのシーン。上原の左を取られるシーンでグラッサが潰します。ここを!?って位置ですね。
この時間帯は本当にジュビロがやりたい放題で、良い意味で今年やりたいことがよく見えた時間帯でした。
右SB新加入川口が中に絞って偽SBっぽくなってるのも良かった。これは賛否分かれるところですがあえてネガティブにいうならボランチがサイドにスライドするスピードが遅いためにできた副次的なものかと思います。今節のボランチ2人はよく頑張ってましたがいかんせん2人の距離感も動き方もサイドとの連携もまだまだでしたね。ボランチの動きとしては去年ボロクソにやられたアウェー浦和戦が理想だと思います。思い出すのも悔しいですが。
15分をすぎてくるとだんだんとジュビロのビルドアップも怪しくなってきます。
・17分50秒過ぎ
川島→中村→グラッサ→松原→倍井と繋いでサイドを突破しかかったシーンですが倍井からパスが引き出せず相手に取られます。このシーン、完全に上原は出遅れてますね。ここでもらうフリをして裏に抜けた佐藤に対して、倍井がフリックしたボールをダイレクトで上原が裏に出せていたら大チャンスでした。
ポジティブなシーンも見ていきましょう。
・18分20秒過ぎ
少し相手が引き気味になってきたところでCBがかなり前気味に出てきます。このまま押し込むかなと思ったところでグラッサ→江崎→川島とボールを下げます。
相手がすかさずプレスを前にかけてきて両CB、ボランチ、SBにマークをつけショートカウンターに備えます。
それを川島→中村→江崎と繋ぎ、上原がサイドに少し開いて相手のボランチを横にずらした隙をつき縦に入ったペイショット目掛けロングボール。これをペイショットが胸で落として中村がワンタッチで佐藤へ。佐藤は一瞬首を振り倍井を確認しますがわずかにテンポを落としてクルークスへ。
そしてクルークスに倍井がファーでアピールし、クルークス→倍井→松原のシュートで終わります。
この攻撃が先制点の形につながったのでしょう。
クルークスのクロスはその質もですが速度が素晴らしい。あの速度で相手DFとGKの間に入れられたらたまったもんじゃないです。そしてファーのポストに向けて走り込める倍井との相性はバッチリでしょう。今年はこの形でのゴールがかなり期待できますね。
〜前半終了
相手DFの位置が押し下げられ、代わりに相手のFWとボランチ、SHが前にプレスをかけてくるためジュビロはプレスをうまく掻い潜れずロングボールが増えます。
これに関してはもう少しSBとボランチの工夫が欲しかった。ボランチの位置が真ん中に寄りすぎているというか…偽SBシステムを使うならボランチがSBの位置までずれたり、その時に逆サイドのSBがボランチの穴を埋めにくるなどの工夫が欲しいところ。その点川口はポジショニングの工夫がよく見えました。
一方で佐藤や倍井がボールを持った時のスピード感は昨シーズンにはない勢いでした。明らかに早い!上原と中村もついていくのにやっとという感じに見えました笑
後半 立て続けのピンチとミス
ハーフタイムにジョンから相当キツく言われたのでしょうか。ロングボールは極力使うなと。後半開始早々川島からボランチへのボールをカットされます。ここは上原が奪い返して事なきを得ますが、J1上位チーム相手なら失点覚悟のプレーです。
また開始早々左サイドからの崩しであわや失点というシーンがありましたが、シンプルに戻りが遅いです。川口が中央に吊り出されてクルークスが下がらないといけないという守り方はかなり悪い形だと思いました。
そのあとの川口の対人守備。距離感がガバガバすぎます笑 去年の初先発時の西久保くんを思い出しました。あれは直して欲しい。
後半になり水戸は意図的にインナーラップ、オーバーラップを仕掛けてきます。偽SB化するのであればこれはとても有効な攻め方でしょう。これも今シーズン狙われそうな点です。
52分 先制!!
そんなこんなであたふたしていた印象の後半立ち上がりでしたが、相手のCB→FWへの縦パスを江崎がカット、その浮き玉を上原がワンタッチで一列前の佐藤へ繋ぎ、佐藤からクルークスへ展開。倍井が逆サイドで怒涛のスプリント、クルークスは前半18分のシーンよろしくGKとCBの間に早いボールを通します。ファーポスト前に飛び込んだ倍井が冷静に流し込み先制!
58分
倍井と松原で敵陣深くまで進み、その後上原→佐藤へ縦パス→佐藤が降りてきてクルークスへ→クルークスから佐藤へセンタリングというシーンがありました。
ここで驚くのは川口のポジショニング。普段ならボランチのエリアにいるんですよね…これは攻撃に人数かける時に非常に効果的。そして内側から一気にオーバーラップしてクルークスの左足クロスのためのスペースを空けました。これはナイスプレー!
67分追加点!!
右サイドのスローインをペイショットが引き出し自分でエリア内を侵入、切り返しの際に相手のタックルを受けてPKに。
このシーン、疑惑のPKとも言われましたがスローで見る限りペイショットが切り返しのためにボールコントロールした右足が地面に着く手前で相手の足が入り、足に乗っかる形で姿勢を崩しています。あと一瞬遅く、ペイの足が地面に接地した後なら大きな怪我でもおかしくないプレーでした。これはPKでしょう。
ペイショットは昨年PKを外していたのでそれがよぎりましたが無事ゴール!よかったよかった。
68分
In 渡邉りょう、金子大毅
Out ペイショット、上原力也
70分
In 角昂志郎
Out 倍井謙
倍井の足が攣ってしまい角くんへ。
73分
金子のロストからサイド展開、クロスであわや失点の流れ。ファーサイドの選手を誰も抑えてないのが気になるところ。
75分
金子のシュートブロックからクリア、それを渡邉がヘッドで角に繋ぎ角が真ん中のスペースへ走り込む。対角線にいたクルークスがCBが足りてないのを察知しセンターラインへ、すかさずスルーパスを出しますが少し遅かった。相手もしっかりオフサイドトラップを掛けていたのがナイス対応。
76分追加点!!
中村のフリーキックがそのまま入る形に。渡邉が触ったかどうかはさておき大きな大きな3点目!
78分 失点
強いて言うなら中村と江崎のポジショニングミスか?川口は縦を切っておけば中を切られないで済んだとも言えるが…まぁあの局面で体の向きが内向きになっていたことはミスと言えそう。ボールホルダーを見てマークを目線から切ってしまっている。そりゃ裏も取られるか。
この辺りから守備がだいぶバタついてくる。
ボールホルダーへのアタックは意識されているが一度ボールが離れるとマークが緩くなりリターンやフリーランニングのマークがグチャグチャに。
この頃からもうビルドアップとは?という状況に。攻めの手はショートカウンターに頼らざるを得なくなり、交代で入った角、金子、渡邉の運動量が目立つ形に。
90分
相手のサイドからのロングボールが裏に綺麗に抜けて川島と一対一に。川島がビッグセーブして事なきを得ます。川島様!!!
90分
In 川崎一輝 為田大貴
Out クルークス 松原后
川崎がWG起用なのは少し驚きましたが確かにアリかも。為田はもう少し早い時間から見たかった。
91分
ライン際で川崎に対して相手選手のエルボーが顔に入ったシーン。しかし判定はノーファール。これがJ2か…と思いました。正直昨シーズンはファールを取られすぎた印象の方が強かったですが、今年は逆にVARがないからこそファールが取られないことも増えることを肝に銘じなくてはと。
94分 失点
ペナルティエリアの角の部分からのインスイングのキックをファーサイドに入れられ、それを折り返し中で合わされ失点。
この形は昨シーズン散々見たパターン。ジュビロといえばこの形。何も嬉しくない。こんなの繰り返してほしくないのに…今年もセットプレーの守備は課題になるのでしょうか。
98分 FT 3-2勝利!!
正直良いところ以上に課題だらけの試合でしたが相手が良かったかな…。水戸のサポーターに失礼にはなりますが、水戸には決めなければならないシーンがいくつもありました。
ジュビロはビルドアップという縛りによって苦しんでいるように見えました。ビルドアップするならもっとボランチが動かないと!!佐藤はめちゃくちゃ頑張ってました。ですが独力では限界が来ます。個人的にはボランチは今節は及第点に及びません。このチームの戦術的にボランチはまさしく核です。そのボランチがこの出来では今シーズン上位は厳しいでしょう。
ただ今年の新戦力は軒並み当たりじゃないでしょうか。特に江崎と佐藤は大当たり。ほかの新戦力にも大いに期待しましょう。
総括
今年のジュビロはなんか違うということがわかる開幕戦でした。やりたいこと、やるべきことがよくわかる内容でした。良い面を伸ばして悪い面を締めていければJ2では6位以内を確実に目指せるでしょう。優勝!はまだこの先の試合を見ないことにはわかりませんが。
ただ間違いなくこれからのジュビロが変わっていく、そんな意思表示がはっきり出た試合だと思います。大いに期待しましょう。
不慣れなnoteでしたがお読みいただきありがとうございました!