サンタさんからの贈り物
「2020年12月24日」
家族の一言でようやく気づいた。
今日はクリスマスイブである。
昨年までは、この2日間がいつ来ないかと数週間前からワクワクしていたものだ。
それなのに今年は、夕食の準備をいつもより張り切っているお母さんを見て、向暑はるがなぜかと理由を聞いたその返答で、今日という日が年に一度の特別な日だと気づいた。
そういえばテレビではクリスマス特集もやっていたはずなのに、今年は見ようとさえ思わなかった。
思い出せば、クリスマスとはいえど、枕元にプレゼントが置かれていたのは小学生までだった。
サンタさんも忙しいのだろう。
しかしその後は、プレゼントは貰えなくとも、豪華な食事やいつもとは違う高揚感で満たされていた。
毎年このワクワクを楽しみにしていたのに、今年は今までとは比べられないほど気持ちが普段と変わらない。
姪っ子も生まれ、少しだけ成長した今年。
これが大人になるということなのだろうか。
少し残念な気持ちを抱えたまま、夜は普段通り布団の中で目を閉じた。
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「2020年12月25日」
朝5時に目が覚めた。何か音が聞こえた。
辺りを見渡すと、枕元にプレゼントが置かれていた。
そしてその横には、赤いコスチュームが一つ。