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白息

玄関を開けると、空に向かって白い空気が目の前を通り過ぎた。

それが自分の息だと気づく前に、冬が来たと心の中で叫んでいた。

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季節は春が一番好きだけど、冬のクリスマスから年末にかけて人々や街、そして家の雰囲気が変わるこの時期も毎年楽しみにしている。

テレビでは、おもちゃやケーキのCMが多くなり、それに伴って赤いコスチュームを着こなした白い髭のおじさんが頻繁に登場する。

人々は、厚いコートに身を纏うようになり、高揚感も合わさって身も心も暖かくなる。

赤や緑に多く照らされる期間限定の街の照明も、この時期ならではである。

クリスマスが過ぎれば、今度は西洋風の雰囲気から「和」の雰囲気に模様替えされる。

数週間でここまで雰囲気が変わるのは一年の中でもこの時期だけだろう。

今年も楽しみだ。

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歳をとれば、この高揚感もなくなるだろうか。

いや、いつまで経ってもこの高揚感を忘れない大人になりたい。

そう願って、向暑はるはもう一度息を吐いた。

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