『うたかたの恋』の感想

3月19日のライブ配信、すっごく愛の物語で、最高に素敵だった。

一月末のライブ配信では、ルドルフは死神に取り憑かれたように闇をまとっていて、物語の主軸はルドルフの苦悩のように見えた。今回は、その闇がだいぶ薄れていて、荒んだ生活から抜け出そうと顔をあげたルドルフが、マリーの清冽さに心を打たれ、恋をして、二人が愛を育んでいく物語に見えた。

まっすぐにマリーを見つめて、マリーの言葉や動作を一つ一つ大切に受け止めているルドルフ、すごく素敵だった。今までよりずっと自然にルドルフに寄り添うマリーも本当に素敵で、二人のやりとりを見ているだけで幸せな気持ちになれた。あと、心揺さぶられるいくつかのシーンに時間をたっぷり使って、情感豊かに演じられていたところも好きだ。指輪を渡すシーンを見て、プロポーズなんだと感じたり、最後マリーのところに行くまえに一人悲しむルドルフにすごく共感したり……。

一月に見た、病んだルドルフもすごく好きだ。というか、あの、もう手遅れな感じで病んでしまっているのに、それでも人間らしく生きようとがんばっていたしぶといルドルフが好きだからこそ、今回の、本当に幸せそうなエンディングが嬉しかったのだと思う。

こういう見方をしていいかわからないけれど、何度もマリーと最期を迎え、死後も変わらず幸せそうなマリーの笑顔を見ることで、ルドルフは少しずつ癒されていったんじゃないかと想像してしまう。

一月の配信を見たときは、いつもは響き合うようなお芝居をするお二人が、違う方向を向いている感じがして少し不思議だった。見ているうちに、マリーがルドルフの心を守るために、あえてルドルフの闇に染まらないようにしているように感じられて、納得した。こういうスタイルのメリバ(ルドルフにとってはバッドエンド感強め、マリーにとってはハッピーエンド)も面白いな、と思っていたのだが、まさか最後にこんな嬉しい驚きがあるとは。お互いのために違う戦いをしていた二人が、最後にやっと心まで寄り添うことができたように見えた。

一月の時点ですごく好きなのに、さらにその先を見せられてしまって、なんかもう感無量だ。それに、すごい大作を見た気分のあと、同じくらいすごいショーが続くし、カーテンコールまで本当に素敵で、もう最高でした。

……ブルーレイ、どっちのバージョンも出してもらうわけにはいかないのでしょうか。みんな両方ほしいと思うんだけどな……。

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