花組『アルカンシェル』千秋楽ライブビューイングの感想2
またもや遅くなってしまったのですが、ライブビューイングで見た『アルカンシェル』、物語のうねりがダイナミックに感じられて、すごく楽しかったです。
皆の演技がそろって、迫力が増した、と感じました。パリが占領されると知ったときの動揺と嘆きといささかの楽観。ドイツ兵が稽古場に来たときの怯えと緊張、からの安堵。舞台全体から伝わってくる人々の感情が、すごく強くはっきりしていて、そのうえ以前より細やかに状況に沿っていたので、物語の面白みが増していました。
演技がそろったといっても、皆そっくり同じ演技をしているわけではなく、個性豊かに演じられていたところもよかったです。それまで一人一人が深めてきたリアリティがあるからこその迫力だったと思います。
あと、冒頭の急転直下の怒涛の展開から、マルセルが一人「たゆたえども沈まず」を歌う場面までの流れが、自然なのに印象深くて、すごく好きです。
そして、最初は過去に思いを馳せる優しさで、次第に現実に立ち向かう力強さを帯びていく「たゆたえども沈まず」が、作品全体を一貫する存在感で響いたことで、物語の大きな二つの流れを感じやすくなったと思いました。
一つは、パリの人々が「たゆたえども沈まず」を胸に、何度も降りかかってくる困難に耐えつづけ、最後にやっと解放されるという大枠。
もう一つは、「たゆたえども沈まず」の話を聞いた小さなイヴが、実際にマルセルたちとそれを実践して、それを語り手のイヴに伝えたという大枠。
この二つの大枠が見えやすくなって、より物語に引き込まれるようになったと感じました。
他にも好きなところがたくさんあったので、また少しずつ書くつもりです。東京公演は見れるまで少し日があるので、しばらくは見に行った方のレポを楽しみに暮らします。
ところで、柚香さんに演じてほしい人が一人増えました。刀剣乱舞の富田江さんです。金髪で白い服の王子様で、長い上着をマントのように肩に羽織っているので、絶対似合う。謎の戦闘ポーズといい、絶対似合うと思います。ステでもミュでもいいので、また女性版刀剣乱舞やってほしいです。
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