花組『アルカンシェル』の感想10

 23日の13時半の公演の感想です。MY楽でした。

 柚香さんの歌、そっと歌いだすときの安定した声の調子が聞き心地がよくて、高らかに歌うところもすごく綺麗に響いて、素晴らしかったです。
 11日にも、歌の端々まで丁寧に抑揚をついていてすごく素敵だと思ったんですが、23日はそれ以上に美しかったです。
 
 とくに「たゆたえども沈まず」。力強く歌うところでも感情や勢いに流されすぎないで、かけがえのないものを守りたいという気持ちが芯にあるのが感じられて、すごく好きです。
 マルセルって戦場に向かうときも己を鼓舞しすぎず、弱さや繊細さに蓋をしないまま戦っている感じがして、そういうところが本当に強い人だな、と思うのですが、そういうマルセルの、大事なものを見失わない強さが歌からも感じられました。
 
 ダンスはあいかわらず、見ているだけでASMR音的な心地よさが感じられるような唯一無二の魅力にあふれていたし、お芝居もやっぱり繊細にびしばしと伝わってきて、マルセルの強い思いや、フィナーレの絶対王者感で魅了してくれたし、柚香さん、とんでもない到達点に辿り着いてしまったんだな、と思いました。
 なんだか納得です。今の光り輝くような柚香さんをずっと見ていたい気持ちもあるけど、新しい挑戦をしたいという気持ちもすごくわかります。
 
 タカニューでのまどかちゃんとのやりとりも最高に可愛くて、この二人はずっとこんな感じなんだろうな、とすごく思ったし、土日のライビュは大劇場千秋楽ほどは泣かないで見れる気がします。

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