自然や物質代謝の観点も含めたい|田中照美『関係人口の社会学』 #読書記録2023
今年の一冊目。雨風太陽/ポケマルのお仕事を通してもっと関係人口を生んでいくぞの気持ちで読んでみた。
関係人口っていう概念や事例についてはもちろん、事例研究の方法やまとめ方(博論が本になっているので)、関係人口って言葉がうまれて人口に膾炙するようになるまで、とかいろんなことを考えながら読んですごい楽しめた。笑
本の中では、関係人口(特定の地域に継続的に関心を持ち、関わるよそ者)が、地域再生主体になっていく過程とその役割について分析していた。
関係人口=地域再生主体ではないというのがなるほどと思った。たしかにポケマルで特定の地域や生産者さんの産品をずっと買い続けている人たちは、かならずしもその地域に行って地域再生とかに関わっているわけではない。みんながみんなそうなる必要もないし。
地域再生主体ではない関係人口が形成される過程とか、地域再生主体でなかった関係人口が地域再生主体に変化していく過程とかが気になった。
関係人口という言葉の定義のあいまいさについて言及があったけど、博之さん(代表)が東日本大震災後に見た、都市から来たボランティアの人たちが被災地の人と継続的に関係性をもって支援に関わっていく光景を、そういうものの存在を、関係人口と言うようになってそれが広まっていったと考えると、あいまいで当然と言えば当然だし、厳密に定義したとしても各人がその言葉を使ってコミュニケーションするときに想定するものには多少なりともずれがあるよなあと思った。
言葉にはちゃんと定義があって、みんながそれを同じように認識してコミュニケーションをとっているように錯覚するけれど、言葉の先に想定しているものは結構違ってたりもして、だから容れ物じゃなくて中身をちゃんと見なくてはと思う。
関係人口からちょっと話がそれちゃったので戻すと、関係人口は、玉野井芳郎の地域主義、鶴見和子の内発的発展論からつながっている概念だと思うけど、自然や物質代謝の観点がない気がするので、そこも含めた議論ができると良さそうと思った。個人的にはそこが一番興味があるかなあ。
考えたことつらつら書いてしまったけど、今年はもうちょっと文章読みたいし書きたいな〜の表明でした。今年もよろしくお願いします😊
いただいたサポートは本を買ったりいろんな人と出会って自分の世界を広げていくために使おうと思います〜!