少女と名付けた
いつも探している。
これがどこの鍵なのか4回も聞いてきた。
私が怖いと言う。私に気を使うと言う。本音を話してほしいと言うが、本人は本音を言わない。口にするまで頭で考えて結局口にしない。
ずっと一緒にいたのに何故こんな風に気持ちが苛立つのかわからなかった。昔はこんな風に考えたことがあっただろうか。
ない。大きな存在だったから。あなたになりたいと思っていた。あなたのみたもの、好きなもの私も好きになりたかった。あなたが読んでいた雑誌を読めばあなたに近づけると思っていた。
私は母になった。母になり、もっと心の距離が広がった。
もう同じ視点では話せない。この距離感は何といって表したら良いかわからない。
でもある日「少女」と言うワードが頭に出てきた。
そうか、少女か。不思議なことに幾分か心が軽くなった。
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まだ解決もしていない私の問題。ただ淡々とここに綴る。