裸の王様
何を選択するのか。
生きている私達は何かしら選択している。
その選択する時に
虚栄というマントを背負い、
慢心と言う鎧で身を包み、
舌先三寸と言う盾で防御し、
煩悩だらけの剣を振り回し、
選んだ先の人を簡単に傷付ける事もある。
そんなの、裸の王様みたいじゃないか。
自分で纏ったものは、人には見えないのに、どうして時に偽装の振る舞いをしてしまうのだろうか。
愛は盲目で、見えないものが美しく清らかで愛を捧げてくれるように私はうっとりとする。
だが、醒めてしまった時の虚無感。
自己嫌悪が火のついた矢のように突き刺さる。
燃えて消える恋心。
それは同じ穴のムジナであった。
ああ、私も私で選択していたのだから、
この嘘で固めた鎧もマントも盾も剣も捨ててしまいたい、そして
何も無いとこから始めたい。