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大学院の授業:サーベイランス概論

昨日の夕方は、zoomによるオンライン授業が2コマ。
修士1年生の後期には、サーベイランスの授業が始まります。
初めの2コマは「サーベイランス概論」です。
講師は、本学の藤田烈先生です。

藤田烈先生のことは、業界の人ならよく知っていると思いますが
日本環境感染学会JHAIS委員会の委員長です。
過去、このような書籍を編纂していまして、特に感染管理認定看護師にとってはバイブルのような存在で
絶版となった現在では、こんな高値で取引されているようです。。。びっくり


ちなみに、こちらはメディカ出版さんから改訂版が出る予定です。
不肖、わたくしもお手伝いをさせていただきました。
既存版はオンラインでpdf版であれば、通常価格で購入できますが、待てる方は少しお待ちいただければ…と思います。

さて、授業の話に戻ります。
概論では
1.サーベイランスの目的と役割
2.サーベイランスの方法
3.サーベイランスのフィードバック
についてお話しいただくのですが、大学院の授業ですので
特に目的と役割のところは、時間をたっぷりかけてもらいました。

2コマって3時間ってことですよ(^_^;)

サーベイランスって何のためにやるの?
教科書的な話ではなく、これまでの経験や、そこから得た知見、価値観含めて、熱のあるお講義でした。
この情熱ある突っ込んだ話って、まず生で聞くことはできないので、少人数で聞ける大学院生は贅沢です。
そして、少人数なのでインタラクティブに授業が進むのが醍醐味だと思います。
私は、大学院生には「質問力」を鍛えてもらいたいと思っています。
質問するって、質問に答えるよりも、ずっと難しいですからね。

感染率の話では、割合と率の違い、なぜ分母をdevice-daysにするのか、などのお馴染みの解説ではありますが
うーん、やっぱり説明が上手でした。
ちょうど昨日、”あるICNに、デバイス関連感染の発生密度率の単位を「‰」で表記しているので「件/1,000device-days」に修正してほしいと依頼したら断られて困っている” という相談を受けました。
これ、時々見かけますが、デバイス関連感染の発生密度率の分母の意味と、千分率の意味が解っていないから生じる誤解ですよね。
いずれにしても、指摘を受けたら一度検討する寛容さが必要だと思うんですけどね。。。

COVID-19の検査にも適用される、感度、特異度、陽性的中率。
大切なことは、その検査を受ける患者(集団)の背景をアセスメントすることです。
それによって検査を生かすことも、無駄にすることもできるのです。

サーベイランスは、感染管理を実践するうえで欠かせないものです。
というか、これなくして始まらないのですが、実際やっていなかったり、リンクナース任せにしてしまって数値だけ追っているのを見かけることがあります。
最後のまとめは
感染管理担当者は現場に寄り添う、というP.リンチ先生か、G.エモリ先生のことか…、彼が聞いたというメッセージを表現した「わんこと消防士」のもう何年も使っているスライドでした。

この後、授業は各論に引き継ぎます。
演習にバトンタッチするまでの間、院生さんたちに、しっかり伝えていきたいと思います。

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