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統計学:オッズ(Odds)の話 その1
もうすぐ感染管理認定看護師認定審査
10月5日は、感染管理認定看護師の認定審査の試験があります。
毎年、NPO法人HAICS研究会の「感染管理認定看護師教育課程修了生のための集中講座」(受験用夏季講習みたいな感じかな)を担当させていただいています。
先日、オッズとオッズ比について質問を受けたので、自分でも整理しておきたいなと思ったので、以下にまとめます。
オッズ&オッズ比
オッズ(Odds)とは確率の比のことです。
ある事象が起きる確率(P)と起きない確率(1-P)の比(ratio)です。
オッズ=$${\cfrac{p}{1 -p}}$$
たとえば尿路感染(UTI)発症者50人中、尿道カテーテル留置患者が40人、非留置患者が10人だとすると
カテーテルありの発症確率(p=0.8)、カテーテルなしの発症確率(発症者の中でカテーテル留置がない確率)は(1-p=0.2)となります。
カテーテルありは、カテーテルなしと比べてUTIの発症オッズが2.0である、ということになります。
カテーテル留置患者である確率は、留置なしである患者である確率の2倍ということになります。
感染管理を行う上で関心が高いのは、
介入や曝露によって、その要因が感染にどの程度の影響(予防効果や感染リスク)があるのかの推定です。
そのため、影響の大きさとして、発症オッズの変化量をみています。
「対照群における発症オッズ」と「曝露群における発症オッズ」の比
= オッズ比(Odds Ratio:OR)
類似の概念として「リスク比」があります。
「対照群における発症リスク」と「曝露群における発症リスク」の比
=リスク比 (Risk Ratio:RR)
オッズとリスクの違いは?について、ここでは置いておいて…
リスクは、ある集団の中でイベントを起こす割合です。
感染管理認定看護師教育課程修了者のための集中講座 2022で使ったスライド例で計算してみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1661914151253-KcmUlgNk3A.png)
オッズ=$${\cfrac{p}{1 -p}}$$
喫煙なしの発症オッズ:0.25
オッズ比=0.875/0.25=3.5
喫煙によってCOPD発症のオッズは3.5倍になるということになります。
オッズ比が3.5になったことで「リスクが3.5倍になる」わけではありません。
オッズは確率の比で、2つのオッズの比がオッズ比です(ややこしいです)。
オッズ比2.0は発症オッズは2倍、リスク比4.0なら発症リスクは4倍です。