【備忘録】インフルエンザの診断

日本は麻疹排除国にはなりましたが、感染力がとても強いので、ひとたび入り込むとやっかいです。
なによりも、麻疹の皮疹をみたことがないという医師や看護師が多くなり、私も病院で発疹のある患者さんが来院すると、よく外来に呼ばれていました(年寄りということではないと思いたいけど…)。

新幹線の同乗者が感染したということですが、かつて易感染患者の外来を通った麻疹患者から生じた二次感染例がありました。
他にかかりつけの疾患があり待合室で、発熱のみで麻疹の診断がつく前に知らずに通り抜けられたという不運な話ですが、怖いなと思ったのはその感染力です。
保健所さんは大変でしょうね…感染症はCOVID-19だけではないということですね、それにしても。

感染症疑いの患者さんをみた時は、やはり丁寧な患者背景と観察による総合的なアセスメントがなによりも確定診断に繋がると思うのですが
検査結果前提で云々という場面もみることがしばしばなので、看護職には背景の情報収集と観察に基づくアセスメントをしっかりしてほしいなと思います。

麻疹の話ではなく、インフルエンザも今冬は流行るだろうなと思い、一般的な臨床症状だけでは感冒やCOVID-19との鑑別も難しかろう…と思いつつ、次の大学院の講義ではNPコースやCNSコースの授業でも取り上げます。
インフルエンザでは濾胞の所見が確認できるようになると、底力がアップするかなと思います。
実際の写真は、宮本昭彦先生のletterが参考になると思うので、備忘録。
Miyamoto, A. and S. Watanabe (2016). "Influenza follicles and their buds as early diagnostic markers of influenza: typical images." Postgraduate Medical Journal 92(1091): 560-561.

ところで、コプリック斑もみたことない先生も多かったなあ。
麻疹の診断の遅れは、感染管理としても背中に冷たい汗が流れます。。。

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