ゆっくりと時間をかけて感染するアルコール依存
私が三歳のころから、父はアルコールが原因で入退院を繰り返していた。
そんな父を見て育った私は、『あんな大人にはなりたくない』と決めたはずなのに。
お酒への興味
きっかけは大人びたかっただけ。
私が初めてお酒を飲んだのは小学生のころ。
こんなことを堂々と書いていいのか分からないが、興味本位で飲んでしまった。
私が三歳のころから父はアルコール依存症で、毎日のように吐血をしては飲むことを繰り返していた。
この父の行動を小さいころから見ていた私は、『血を吐いても美味しいと思えるお酒』に興味がわいてしまったのだろう。
最初はちょっとだけのつもりだったが、お酒の味を覚えてしまったら抜け出せない。
高校生になるころには、毎日のように酒を飲んでいた。
恋愛依存とアルコール
埋められない寂しさを、恋愛することで埋め尽くしていた私。
たいして好きでもない人とも付き合ったし、簡単に体を許してきた。
愛されているという快感を、得ることが癖になっていたのだろう。
だいたいの男は私が好きと言えばその気になってくれるし、私は男に飽きたらすぐに乗り換えていた最低な女。
高校一年生から20歳になるまで、彼氏がいない時期はなかった。
高校のころは、いつも集まる地元のメンバーで朝方まで酒を飲みながら、たむろすることが日課。
『この居場所が心地いい』『仲間最高!』『永遠にこのまま楽しく過ごしていたい』毎日そう思っていた。
当然、家には帰りたくない。
家に帰るころには母は寝ていることが多い。
それでも、飲み歩き・遊び放題の私のことをとっても心配していた。
この心配はのちに、世間体という言葉で片付けられるわけだが。
母の疑惑
『覚せい剤でもやっているのか?』母から言われた。
今でも鮮明に覚えている。
いつものメンバーで酒を飲んでいたある日、当時持っていたPHS(携帯)の着信が鳴りやまない。
母からだ。
ずっと無視していたが、家に帰らなくてはならない用事を思い出し、母が寝静まったころに家に帰ることにした。
深夜二時頃に帰っただろうか。
母は起きていた。
玄関を開けると、急に母から蹴飛ばされた。
私もお酒を飲んでいたが、母もお酒を飲んでいた。
ひどく酔っぱらっていた私。
このころの私は母のことが大嫌いだったので、関わりを持ちたくなかった。
急に蹴飛ばされていい気分ではない。
『いってーな!何すんだよ!!』と、母を蹴り返す。
だが、母の暴力は止まらない。
母は、何かに憑りつかれたかのように、私を蹴ったり殴ったりする。
すると『その顔はなんだよ!!お前、覚せい剤でもやってんだろ!!目が生きてない、死んでるんだよ!!』と、怒鳴り続けた。
『お酒だよ。覚せい剤なんてやってない!』と言い返す。
覚せい剤をやっていると信じて疑わない母は、ずっと暴れていた。
せっかく仲間と楽しく美味しく飲んでいたお酒だったが、こんなカタチで酔いが醒めてしまった。
母は、私が中学生くらいになってから、急にお酒を飲み始めるようになり、毎日の晩酌は必須だった。
毎日毎日酒を飲んでいて、酔っぱらっていた母。
酒を飲みながら、友達と電話で楽しそうに話していた母。
同じことをして、何が悪いんだよ!
私は憤りを感じた。
母は、アルコール依存症の夫を近くで見てるし、それが原因で離婚だってした。
お酒は大嫌いだと言っていたはずが、母もお酒に操られるようになってしまうなんて。
娘の私も一緒に・・・。
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