生まれつき片耳難聴の私が43年生きてきたマインドセット
はじめに
はじめまして。このコンテンツでは、片耳難聴とともに生きてきた私が、43年間の経験を通じて学んだマインドセットを共有します。
片耳難聴という聞き慣れない言葉ですが、実は私のように生まれつきや後天的に片耳の聞こえが悪い人は少なくありません。日本だけでも30万人以上いると推定されています。
片耳難聴での葛藤や工夫、乗り越えた経験、そしてそれを通じて得た人生観を、一人でも多くの方に届けたいと思います。
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「片耳が聞こえないって、どんな感じだと思いますか?」
突然こんな質問をされたら、ちょっと戸惑うかもしれませんね。
私自身、片耳が聞こえない生活を送っていますが、最初は何が普通で何が特別なのか、正直よく分かりませんでした。
たとえば、周りの音が遠く感じたり、誰かの声がどこから聞こえているのか分からなかったり。
耳のせいで友達との会話が途切れてしまったとき、思わず「え? さっき何て言ったの?」と何度も聞き返してしまうこともあります。
そのたびに(片方の耳聞こえないからな私。。って凹むこともなん度もありましたが、これが私の日常なんです。
そんな私が、なぜこの話をしようと思ったのか? それは、同じ悩みを抱えている方やそのご家族、そして突発性難聴で悩む方に「一人じゃないよ」というメッセージを届けたいからです。
片耳が聞こえないからといって、毎日が困難ばかりではありません。
むしろ、そこには少し笑える瞬間や意外な気づきもあります。この記事では、私の体験談や心の持ち方、日常で役立つちょっとしたコツなどをお伝えします。
読んでいただく皆さんが、少しでも前向きな気持ちになれることを願っています。
第1章: 「自分だけが違うと思った時代」
子供時代は、周囲との違いに悩むことが少なくありませんでした。
小学校時代の聴覚検査
学校での会話や授業での聞き取り、友達との遊び――どれも片耳難聴の自分には、少しだけハードルが高い場面でした。
たとえば、小学校の聴覚検査。検査用のヘッドホンを片耳ずつ付け、聞こえたらボタンを押す、あの時間は毎回ドキドキの連続でした。
隣の子と横並びで検査をする形式だったので、私は隣の子の動きをちらっと見て、タイミングを真似てボタンを押していました。
「見られちゃいけない」と思いながらも、必死だったんです。先生たちは流れ作業のように検査を進めていくので、正直、気づかれませんでしたね。(あまりこういうことを言ってはいけないかもしれませんが)
そんな中、同じ片耳難聴の子に初めて出会ったのは小学校卒業間近のこと。卒業前、友達に「実は片耳が聞こえないんだ」とカミングアウトすると、「私も片耳が聞こえないんだよ」と告白してくれた友達がいました。
その瞬間、「もっと早く知りたかった……」と心の中で叫びました。自分一人だと思い込んでいたのは、まったくの勘違いだったのです。
両親へのカミングアウト
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