
【大手保険会社】参入で保険代理店にとってLINE市場はレッドオーシャン?
最近、下記のような、「日本生命」のLINE活用による記事が多く出ています。

第一生命 友だち数 680万人、日本生命 友だち数 650万人
1.はじめに
これまで、「第一生命」がLINEのスタンププロモーションを活用して多くの「友だち」を獲得してきた事例が広く知られていました。
一方、日本生命(以下、日生)もプロモーションによる集客を行ってきましたが、最近では既契約者を中心にデータを活用し、より成果の出る手法へとシフトしているように見えます。
2.LINE市場は中小代理店・個人募集人にとって厳しい環境なのか?
過去の動画でも解説したように、Google(SEO)の世界では「中小保険代理店・個人募集人」が戦うのは時間的・コスト的に非常に難しい状況です。
その理由として、YMYL領域の特性、ドメインの強さ、EEAT(専門性・権威性・信頼性)といった要素が挙げられます。
なぜ難しいかの解説動画を発見しましたので、参考までに掲載しておきます。
そこで弊社は中小保険代理店、個人募集人には、「Google上(SEO)ではなく、LINE市場で戦おう」という提案をしてきました。
しかし現在、大手保険会社の1番手である日生、2番手の第一生命が本格的にLINE市場へ参入しています。他大手代理店(保険市場等)も続々参入してきています。
この状況はSEOと同じように、中小保険代理店・個人募集人にとってLINE市場がレッドオーシャン化してしまったことを意味するのでしょうか?
2.日本生命はLINEをどう活用しているのか?
今後の営業現場(セールスレディー)の仕事の中心は、既契約者周りをしてLINE公式アカウントに「友だち」追加してもらう作業に集約する形になると思います。
従来、セールスレディーは見込み客を訪問し、アンケートやテレビジョン?(流石に今はしてないか?)を配布して関係性を構築し、アナログな属人的営業を行っていました。しかし、すでに豊富な既契約者(孤児契約)を抱える大手生保にとっては、既契約者をLINEの「友だち」に追加するだけで、市場を囲い込むことが可能になります。
【数字で見る日本生命の規模】
営業職員数:5万人
個人保有契約件数:約3000万件
被保険者数:約3000万人(1契約者=1ポリシーと推測)
日本生命にとって、3000万人の契約者を5000万人に増やすよりも、既存の契約者との関係を維持し、新規追加契約を獲得するほうがはるかに効率的です。(厳密には、既契約を維持するだけでも充分)保険は究極のインフラであり、サブスクモデルのため、この戦略で安定した収益を確保できます。
今後、営業職員の業務の中心は「既契約者を訪問し、LINE公式アカウントに友だち追加してもらうこと」に集約されると述べましたが、従来のキャンペーン施策では「友だち追加後のブロック率が高い」という課題がありましたので既契約者へは当然の流れですし、以下のデータがそれを示します。

日生は以下の2ステップで既契約者との関係性を強化する戦略をとっています。

既契約者に対して【LINE公式アカウント】友だち追加
友だち追加時にアンケートを取得(多少のインセンティブはしているかと・・*デジタルギフト等)
ライフイベント情報に基づいた情報配信
営業職員の個人ID(LINE WORKS管理)を友だち追加
個別のやり取りはLINE WORKSを活用
会社としては、LINE上でのコンプライアンス違反を監視可能
このフローを通じて、LINE公式アカウントで情報配信し、顧客を育成(ナーチャリング)しながら、ライフイベントが発生した際に第一想起させ、営業職員の個人ID(LINE WORKS)経由で成約へとつなげていきます。
この手法は、以前 過去記事のメールマーケティングで紹介した、「メールアドレスを集める」→「LINE友だち追加」にツールが変化しただけで仕組みの根底に流れる考え方は同じになります。

KPIの変化:「質の高い友だち数」が重要指標に
この戦略では、「どれだけ多くの質の良い友だちを増やせるか」が重要なKPIとなります。母数が増えるほど成約数が伸びるため、営業職員の評価基準にも「友だち追加数」がすでに組み込まれている可能性がありますね。
3.保険代理店、個人募集人でも実現可能か?
LINE市場はレッドオーシャンか?っという話に戻ります。
すでに大手が、ここまで予算を投下して、参入しているならSEOと同じで、レッドオーシャン化しているからもう遅いのではないかと考えてしまうのも無理はありません。
正直な話、レッドオーシャン化していると思います。
・・・が、【LINE公式アカウント】の仕組み上、LINE公式アカウントはレッドオーシャン化しているマーケットの中で、独自のマーケットを構築することができ、緻密な戦略も立てることができます。
これも、冒頭に説明した動画の中で説明していますが、レッドオーシャンの海の中で、【LINE公式アカウント】を使用して、独自の生簀(いけす=マーケット)を構築できるのが【LINE公式アカウント】の特徴です。またその生簀の中に入った魚(友だち=既契約者、見込み客)に対して、独自の餌付け(運用)をすることで、売上を構築することができます。

ですので、「生簀=【LINE公式アカウント】」を構築することは、参入が遅れても全然問題ありません。まずは生簀を作ることを強くお勧めします!
その構築した生簀(マーケット)に対してはの餌付けの方法は、以下過去記事に記載しています。
4.生簀=【LINE公式アカウント】の作り方
大手保険会社のような大規模なシステムを組んでデータを分析してなんてのはなかなか難しいと考えている 保険代理店経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
説明の詳細は割愛しますが、現在は【LINE公式アカウント】に追加で付加できる【LINE拡張】ツールというシステムがあります。
これを導入することで、ほぼ大手保険会社と同等レベルのマーケテイング、分析システムをもった【LINE公式アカウント】のシステムを構築する事が可能です。
生簀(=【LINE公式アカウント】)の作り方に関しては、以下弊社のサービスラインナップを参照ください。
【保険代理店】向けサービス
・保険代理店向け
・来店型保険ショップ向け
【保険募集人】向けサービス
・【ほけん知恵袋 Llinks】
5. まとめ
LINE市場はSEOと同様、大手が圧倒的な資本力と顧客基盤を活かして市場を席巻しつつあります。
しかし、中小代理店・個人募集人にとって完全に戦えない市場になったわけではありません。
重要なのは、大手とは異なる戦略を持ち、質の高い友だちを確保し、顧客育成(ナーチャリング)を適切に行うことです。
今後も、この市場でどのように戦っていくべきか、引き続き考察していきます。