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私のお守り

白い猫に出会った
小雨の降る6月、父の命日の日だった
お墓の前でお掃除をしていると
『ニャー』と体をすり寄せて、私の膝の上に上がってきた
父の亡くなった日も同じような小雨が降っていたから、父が会いに来てくれたのかなと…
途中でお水をくみに行くと、後ろから付いてくる
お掃除中は、ずっとそばにいてくれた
お掃除も終わり、『じゃあ帰るね』と言うと
不思議と猫は座り動かなくなった
帰りの坂道を下りながら、振り返ると、ずっと同じ場所で座り、私を見送ってくれた
家に帰ると、ワンピースの裾の方に白い毛が何本が付いていた
私はそっと集めて、小さな袋に入れてお守りのようにもっていた


それから数年後、家の前に、小さな真っ白な子猫が現れた
動物を飼ったことがなかったので、少し戸惑ったが、ご縁があってきてくれた猫を家族に迎えた
ハルちゃんと名付けた
まだ、二ヶ月くらいだったが、おトイレもちゃんとでき、お利口さんな子猫だった
人馴れも抜群だったので、猫嫌いの家族の心もすぐに虜にした
お日様の当たる二階の出窓から、外を眺めるのが好きだった
私が仕事から帰ってくる車の音を聞くと、猛スピードで階段を駆け下り玄関に座っている
一番乗りの『おかえり』に『ただいま』の抱っことギュッ♡
毎日の日課だった
ある日、『ただいま』と抱っこしようとすると、フサフサの真っ白な、おでこの毛が赤くなっていた、どうやら、猛スピードで降りてくる途中柱の角でぶつけたようだった
ギュッもそこそこに、車に乗っけて、病院へ
抗生物質を打ってもらって、なんとか一安心
大きな病気もせず、一年に一度、予防接種に行くくらいで、毎日家族を笑顔にしてくれる存在だった
でも、19歳を目の前にしたある日、倒れ虹の橋を渡った、慢性腎不全だった
この世界で私をこんなに幸せにしてくれた存在はいない
あなたに会えたこと、感謝しかない
今もずっと一緒にいるんだよね

また、少したてば、小さな子猫になって私の前に現れてくれるよね
輪廻転生に期待する


家の所々から出てくる、白い毛を集めて、小さな袋にいれている
お守りが二つ…
きっとまた会える日までまってるね

火葬してもらっている時、お空を見上げたら、天使の羽をつけた、耳も前足も真っ白ふわふわの愛猫がお空に帰っていくのが見えました
このシャッターチャンスに感謝しています

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